それからというもの、私は君を目で追っていた。
話していてすごく楽しかった。
君の失敗談や友達の事なんか話してくれたっけ。
友達からは、
『仲良くしない方がいい。女嫌いだし。』
『変な人だよ』
『あんな奴と仲いいの?笑』
といった内容の、君を否定する言葉を並べられた。
(こんなに面白い人なのにな…)
(一緒にいて楽しい)
私はいつもそう思っていた。
君に魅了されていたんだ。
季節は春から夏へと変わり、次第に涼しくなった。
9月の、運動会のこと。
リレーのとき、選手で君は走っていたね。
風になびく髪が、
日焼けした腕と脚が、
前を捉えるまっすぐな視線が、
ただ、きれいだと思った。
見惚れてしまった。
ー私は、恋に落ちたのだ。
きっとそう。
紛れもなく、ただ単純に君が好き。
その想いに驚くと同時に、
君のことが愛おしくなった。
好きだと自覚してからも、
ドキドキしながらも、
君と話す時間が嬉しくて仕方なかった。
過ぎていく時間が惜しく、
時間が止まってしまえばいいのにななんて何度も思った。
事件は唐突に起こった。
年があけてしばらく経った、2月14日。
まさかあんなことが起こるなんて、思いもしなかった。
~続く~