実家は代々神社を守ってきた神主。それを継ぐために勉強し、7年前、大学卒業と共に資格を得た。
卒業後すぐ、ある中規模の神社へ勤めた。
そこで私はいろいろとやらかした。
失敗を繰り返したのだ。忘れ物、参拝者への対応、失言、失態…
自分で何とか直そうと努力した。
だが、気がつけば、職場での居場所を失うほど、信頼を失い、孤立した。
お前は出来ない人だ
あなたは人を不愉快にする天才だ
役立たず
社会人の劣等生
散々言われた。
「失敗を繰り返すあなたはきっと病気だ」
そう促され、病院へ行った。うつと言われた。
診察を続けていくうちにAD/HDと診断を受けた。
副作用のある薬を飲み続けた
だが2年目の秋、すべてが信じられなくなり、急行電車に飛び込もうとしたことがあった。
だが出来なかった。
「お前がこの家を継ぐのは宿命だ」
かつて、父が言った言葉が脳裏をよぎった。
家を継がなくてはならない。死ねないのだ。
その思いで耐えた。
3年間勤めたその神社を離れ、故郷に戻った。
実家の神主とした働くことになったが、問題があった。実家の神社では、神社だけで生活はしていけないことだった。
何か副業を探さなくてはならない。
教員採用試験と公務員試験を受けた。どちらも落ちた。
職に就けるまで、何かしなくてはならない。そう思い、やったことのないアルバイトを始めた。月給50000円ほど。何の足しにもならない。
そんな私を、父は日に日に蔑んだ目で見ている。
亡くなった祖母の一周忌の時、帰省した2人の叔母と父が話していた。
「将来、この家を、自分の子どもたちに任せる気はない。」
俺は…何故帰ってきたのだろう。
何故資格を取ったんだろう。
何故、あの時死ななかったのだろう。
(お前はやはり何もできない。才能がないんだ)
(今死んでしまっても良いだろう。ただ死ぬ時期が5年ずれるだけだ)
(死んだところで悲しむやつは数える程度だ。あとのやつらはどうでもいいと捉えるさ)
(何故頑張るんだ?頑張った先に何がある?何か見えてるのか?)
私は、神主だ。
だが、神を信じきれていない。
神は囁かず、悪魔ばかりが私に囁き続けている。
※これを書いたところで何になるか分からない。ただただ私の経験し、感じたことをズラズラ書き綴っただけだ。
ただ、誰かに聴いてほしかった。臆病なせいか、それともプライドが高いのか、どれかは分からないけれども、人と面と向かって悩みを打ち明けられない私の思いを聴いてほしかった。
ただそれだけである。