でも…
さっき言葉を飲み込んだ。
一階の出入り口。外は身を斬るような極寒。
言いたいことは色々ある。それでも苦笑いして手を振った。
あのね、私そんな風に思ってないし、これから先も絶対思わない。
一億万歩譲ってもし仮に思ったとしても絶対そんなこと言わない。
もしそういう捻くれたことを思うなら、その発端はもっと他にあるんだよ。
どうして君はそんな風に思うんだろう?
私はそんな言い逃れしたくもないのに。
嫌な思いなら、もっと他のことでしている。
それには一切気づかないくせに。なんで。
単純、あまりにも単純すぎる。
君の気持ちなんて浅すぎて、言われなくてもわかる。わかってしまう。
どうせ「コートも着ないで雪が降るような冬空の中、友人を改札まで送る」ことによって、私が「体調を崩して受験に落ちる」か、
「そもそもこんなことに時間を割いたばかりに、勉強時間が減って受験に落ちる」ことになって悔やむのを恐れているんだろう。
自分でもそう言ってたもんね。
何?私そんな人間に思われてんの?
そんなに自分のせいに思われたくないの?なんで?誰に?私に?
私の何がそんなに怖いの?どこが?私君より一個下だよ?
そんなことに気を遣ってくれるんだったら、もっと他のことに気を遣って欲しかったなぁ。
私もっと他のことで君にたくさん傷つけられたんだよ。
ほら、3人のあのこととか、ね?おかげさまでとんだトラウマだよ。
気づいてないんだろうなぁ。
あのね、大好きだよ。
だからこそ、なんか、心配されるほど悲しくなる。もう全部保身のために言ってるとしか受け止められなくて。
心配しないで、大丈夫だから。私は絶対に責めたりしない。
だから、本当に私のことを思ってくれるなら、
もっと早く気づいて、察して、回避して。