朝と昼は家族と話すから良くても、眠れない夜は寂しい。
なんだか息苦しい重みの布団に、押しつぶされるみたいに窮屈で。
誰かが、隣にいる誰かが手を握ってくれたなら。
そんなことを考えて、今日も気を失うみたいに寝付く。
怖い、寂しい。また、日付が変わって、新しい世界に出会って、そうやって日々を重ねることが一番苦しいのに。
泣けたことは、かれこれ3年間ほどない。
痛みで出てくる涙を除けば、最後に心からの涙を流したのは7年ほど前のことになる。
いつからか、泣くことは恥ずかしいことだと思えてきて、やめてしまった。
そうして、泣いてばかりの心を放っておいたら
いつしか涙は枯れ果ててしまった。
心の底から大泣きしながら、誰かに抱きしめられたい。
ここ一年は、そういうことを考えるようになった。
血も涙もないのは、冷酷な殺人鬼なんかより、現代社会に呑まれる私であり、私たちだ。
もう人生なんて、耐えるものなんじゃないか。
耐久性のない私の心はとうに原型を留めず、肉体だけが生きながらえる。
心底、無駄な人生だ。と思える。