主さんは、試験でどうしてもわからない問題が出たらどうしますか。
計算式が解けないとか、漢字が思い出せないとか。
時間ギリギリまで必死に解こうとした人の試験用紙には、数字やメモ書きを何度も書いては消した跡が残っているはずです。
逆に、早々に諦めた人の用紙は、真っ白で何も残っていない。
もちろん、答えが書いていなかったり、間違っていたら、どちらも0点。
ですが、時間ギリギリまで解こうと粘る熱意がある人とない人では、試験への意識が違う。
その意識の差は、次の試験、1年後の試験に、はっきりと点数の差として現れるはずです。
あなたの作品も同じです。
色を塗り直したり、素材を変えたり出来る所はありませんか?
部品を増やしたり減らしたり出来る所はない?装飾を足せる所はない?
繋ぎ目や縫製部分はもっときれいに出来ませんか?
形を変えられないなら、写真を撮った時に見映えがするように、背景や台座や照明を工夫することは出来ませんか?
今より少しでも良くする為に、何か出来ませんか?
もし提出した後であれば、何が足りなかったか、先生とフィードバックをしましたか?
筆記試験と違って、作品を作るのは、技術や知識だけでなく、才能やセンスや経験も必要でしょう。
だからあなたと周りの凄い人達との差は、努力だけで何とかなるものではないかもしれません。
でも、それは努力しなくていいという理由にはならないし、あなたの努力に意味がなかったことにはならない。必死に様々なことを学んできたのを否定するのは、過去のあなたがかわいそうです。
あなたを親身に指導してきた先生なら、あなたが今ある全力を出しきったのか、「周りと違い過ぎる」と途中で諦めてしまったのかは、作品を見れば必ずわかります。
失望するとすれば、作品の出来映えより、中途半端な所で投げ出しおざなりに仕上げてしまったあなたの心意気にです。
誰の1年でもない。あなたの1年です。
自分の現在の実力を知り、自分が今後何を頑張ればいいかを知る為の卒業製作です。
力不足を知ること、後悔することにも意味があったのだと、いつかわかる時がきます。
卒業製作とか卒業論文とか、とりあえず提出して卒業さえ出来ればいい、という人も少なくないのに、力不足を泣く程、あなたは頑張ってきたのだと思います。それは素晴らしいことです。悲観することはありません。
自分の熱意と、この1年間に、プライドを持って下さい。
お疲れ様です。
終わったらゆっくり休んで下さいね。