今まで少し浮かれてた。
あなたがあまりに優しくしてくれるもんだから。
お揃いのアクセサリーつけてデートと言って出かけたり、あなたの肩にもたれて寝てた時、あなたが頬を預けてくれたこともあった。
私知ってる。あなたが私の寝顔撮って秘密にカメラロールに保存してあること。
私を優しく撫でてくれるその少し冷たい手も、抱きつけば同じ力で抱きしめ返してくれるあなたの腕も、私が触れば敏感に反応してくれる耳も、いつも私の瞳を覗いてくる少し茶色のあなたの瞳も
誰よりも知ってる自信があった。
でも、
どんなに愛を送っても、どんなに熱い視線であなたを見ても、報われないのはわかってる。
性別の差は大きい。
もしそれが男女だったら、立派なカップルになって、みんなからも認められる幸せな愛になる。
でも違う。
現実は違った。
どんなに私があなたを愛していても、あなたはそれは友情だと言うのでしょう？
今まで甘えていた。気づかないふりをして幸せな現実だけを受け入れて。
今日のあなたは少し困った顔をしていたね。
昨日は驚いた顔をしてた。
その前は確か私を後ろから押して私を遠ざけたよね。
それって拒絶？
やっぱり同性から恋愛対象に見られるって気持ち悪いの？
ごめん。こんなブスでデブな同性に好かれたって気持ち悪いだけだよね。わかってた。
前は一緒にほんの短い距離も一緒に帰ってたのに、今では何も声かけてくれないね。
ラインの返信も、途中で途切れたまま。
私に呆れた？
既読スルーは不安になるよ。
あなたをそういう目で見てるって気付いちゃったのかな。
私はあなたからできるだけ離れた方がいいのもわかってる。
それでもあなたがいないとこんなにも世界が苦しいなんて知らなかった。
今まで愛を誰かに寄せたことなんてない。
息をするのも苦しいや。
あなたが私に寄せてる想いはLoveじゃなくてCaringなんでしょ。
あなた自分で言ってたもんね。
「私は面倒見が良い方だ」って。
優しいあなたはこんな私を全力で拒絶なんてできないんだろうな。
私は結構重い方だから疲れるんだよね、ごめん。
全く面白そうじゃないのに笑ってくれてた。無理に笑わせてごめん。
あなたが苦手そうな話もしちゃったことあった。ごめん。
もうこれで終わりにするから。
あと少しの辛抱だから。
だから少し待って。
諦めきれない気持ちを棄てれるようにできるだけ頑張るから。
迷惑かけてごめん。
もう、私を見てあなたが見せるそんな顔見たくない。
世の中自分の思い通りに進んだら、つらい思いなんかしなくて済むのにね。
友達なら近すぎるほどの距離に入れるのに、想いを伝えた途端、離れてしまうのは、寂しいしなんだか理不尽だよね。
やっぱり隠したままの方が良かったのかな。自分の気持ちに嘘をついてまで、彼女のそばにいたかった？
今すぐはきっとびっくりして、拒絶したりもするのかな。でも何年も何年もたって、あなたの気持ちに気づくかもしれない。きっと、わかってくれるでしょう。友達なら。
恋愛って難しいですね。同性異性関わらず。好意を伝えたことに後悔してますか？
少し厳しめのお返事が多いですが、ごめんという気持ち、捨てる必要無いですよ。脈なしでも、そばにいたいんですよね。それを重いと感じるかどうかは、彼女次第。
脈なしの相手からの好意を察したら、そんな感じにもなるだろうね。
彼女はスキンシップのつもりだったんだろうね。異性愛者の彼女なら、男性相手ならもう少し気を付けただろうけど、女性のあなた相手なら遠慮なくベタベタできるだろうから。
愛する人がいると、その人のどんな些細な行動もポジティブにとらえて「この人も私が好き？私は特別？もしかして相思相愛？」とか思いたくなるんだよね。
それが自分の勘違いだったと気づいた時の失望感はひどい。
愛し方が重いのね。それもあなたを苦しめるもののひとつかな。
自分でも重いと思ってるなら、少し軽くする方法を教えてあげる。
それは「ごめんね」って思考回路を捨てること。
重い人ほど、「ごめん」て言葉をよく使うんだよ。
うまく愛せなくてごめん、困らせてごめんって。
でも、相手は、謝って欲しいとは思っていない。
ただ、自分の気持ちを知って欲しいだけ。
あなたは彼女に気を遣わせてごめんと言うけど、彼女はあなたに親愛の気持ちがあるからこそ、気を遣った。彼女がしたくてしたことなんだから、そんなことさせてごめんなんて、あなたが謝る必要はない。
彼女は、謝れ、なんて思っていない。
ただ、あなたと恋愛関係にはなれないという気持ちを、あなたにわかって欲しいだけだと思う。
だからあなたは「ごめん」じゃなくて、「わかった」と言うだけでいい。
恋愛のお付き合いは出来ないのね、わかったよって、それだけでいい。
ごめんなんて、愛しいと思う気持ちを全否定するような言葉を使って、自分を追い詰めることはない。好きになったこと自体は、悪いことじゃないんだから。
うまくいかなかった恋愛ほど、うまくいかないなりに一生懸命頑張っていた自分のことを、自分だけは誉めてあげないとね。
いつかあなたも、ごめんって気持ちが薄れて、彼女のことがいい思い出になるといいな。
