音のはなし〜。
私は音に疲れることが多い。
雑音とひとの声との聞き分けが出来ない。ふつうは誰かと話しているとき、ほかの音がしていてもシャットアウトするらしい。でも私には出来ない。話し声と、例えばBGMや物音、虫の声や家電の機械音、ぜんぶおなじ程度で聴こえる。沈黙 という言葉がわからない、世界はいつも音で満たされているから。
じぶんにとって苦手な音がするとほんとうにしんどくて、泣きそうになって耳を塞ぐ。誰もそんなにダメージ受けていないのに。
音楽、は結構大丈夫みたい。
生で演奏を聴くと、音が多くて酔ってしまうこともあるけれど。
ひとの顔は忘れてしまうけれど、声は忘れない。
文芸部に誘ってくれた友だち。彼は 音が見える、共感覚を持っているのだという。はじめてそんなひとに出会ったので興味津々な私。クラシックはだいたい、黄色っぽい波なんだって。
私の声はどうみえる、そう聞くとなぜかぜったい教えないとのたまう。
私の声は、何色をしているのかな。
もうひとりの部の同期の声がすごく綺麗ですきで。その子の声は、澄んだ真っ直ぐな藍色だといっていた。いいなぁ。
なにかを整理するたび、色は混ざるけれどすこしずつ澄んでいく気がする。声もそうなのだろうか。
身を削る音がすくない 夜がすき。
でも、いろいろな音に埋もれながら歩くのも、カラフルでわるくない。上手く耳を塞げば過呼吸はもうきっと起こさない。私を縛る言葉を聞いてるのは私の耳じゃなくてこころ。
眠ってしまおう。