リハビリ担当のベテランのUさん。
代理で1回だけ来てくれた人も合わせると5人の人にリハビリしてもらったけど、Uさんが担当の時が1番足の調子が良かった。
『昨日、隣のベッドで入院してた高校生君が主担当っぽい人とリハビリしてた時、Uさんがやってくれた時が1番足が曲げられたって褒めてましたよ。』って伝えた時、『心の内に留めておきます』って謙遜してて驕らない態度にベテランの貫禄を感じた。
退院間近の時にお子さんが熱だして休んでて、最後会えないまま退院しちゃったけど、家族を大切にね。
リハビリ担当の新人のKさん
最初はUさんのお手伝いみたいな感じで連れられてきて、
『今日は若いのも一緒にリハビリを担当させてもらってもよろしいでしょうか?』
って紹介された。
『私で良ければ気にせず新人教育の実験台に使ってください。』
『そう言ってもらえるとこちらとしてもありがたいです。とは言え治療なので僕が責任を持って事故やミスが無いようにさせますので。』
そんな話をしたから俺が担当しやすい患者だと思われたかな?
最初はUさんがシフトで休みの時の代理って感じだったけど、途中から代理ではなく担当として任されてたようだった。
リハビリは基本1日2回、
午前と午後に入っているが1回の日もあった。
ある日、午前のリハビリでUさんに午後は何時からリハビリの予定があるか聞いたとき、今日は午前だけとのことだったので、看護師に午後の空いてる時間でシャワーの予約を取ってもらうように頼んだ。
そしたら午後にKさんがやってきた。
…なんかこの流れ前にどこかの小瓶で書いたな。
Kさんが急遽午後に来れることになって、シャワーの時間取り直してリハビリをやったんだが、シャワー担当の看護師が時間通りに来なかったな…。
Kさんとは結構世間話をした。
『社会人1年目だと色々疲れますよね、もう仕事は慣れました?』
『僕は最近Uさんから1人で患者さんの担当を任され始めて、インシデント起こさないように精一杯って感じですね。』
『じゃあ丁度仕事に慣れ始めてミスが起こりやすいヤバい時期って事ですね(笑)』
『そうなんです、僕は幸いまだ何も起きてないですけど、同期の看護師がやらかしたって話をちょいちょい聞くようになったんで(汗)』
『始末書とか書かされて再発防止策は云々みたいなのやる羽目になるんですよね、私も医療関係の案件やってたことあるから何となく想像できます。』
『そうです、かなり大変な事になるんで、そうならないように気を付けてます。僕らリハビリの場合だと患者さんが転んじゃったりとかで怪我させちゃったりしたとかの場合ですね。』
『じゃあここで私が調子に乗ってすっ転んだらインシデントになるんですね?(笑)』
『やめてください(笑)』
リハビリは痛いし疲れるけど、退屈な入院生活で話し相手がいる時間は気分転換になっていた。
看護師で名前と顔が一致する人だとAさん。
シャワーの時間を毎回ちゃんと守ってくれた。
ややぽっちゃりした人で、マスクでも笑顔が気さくな感じがする。
愛嬌があるってこういう感じの人の事かな?
おそらく新人1年目のOさん。
おとなしめの可愛らしい感じの人。
点滴の交換に来るが俺の腕に針は刺さってない。
4日に1度の交換の日だから朝の点滴の後に針は抜かれていた。
『朝担当の人が抜いていって、日勤の看護師にお昼に刺してもらってくださいと言ってました。』
『準備してきますので少々お待ちください』
そう言ってちょっとお姉さん風の先輩さんと一緒に来た。
先輩さんが指示を出す。
『それじゃあ点滴をやってみようか。○番のセットね』
「向きは下からですか?」
先輩さんからのOJTが始まる
『点滴は動脈と静脈、どっちだっけ?』
「えっと…」
『どっちからどっち向きに流れてるんだっけ?』
「…。」
ちょっと可哀想に思って俺が口を出す。
「心臓から出ていくのが動脈で、戻ってくるのが静脈でしたっけ?」
そう言ったら先輩さんに『シッ!』っておこられてしまった。
その直後に検査の呼出しがあって点滴は一時中止。
夕方に別の先輩さんに連れられてくる。
『ここの血管に、この角度で、真っ直ぐね?』
「この角度ですね…。」
先輩さんに指示されて何度も針を刺す素振りをして確認。
「それじゃ刺しますね、チクッとしまーす。」
…あまり痛くない。
『上手く刺せました?あんまり痛くなかったんですけど。』
と俺が聞く。
「上手く刺せました…?」
先輩さんに向かって不安そうに確認する。
『あまり痛くないなら上手く刺せてるよ!』
と先輩が言う。
しかし点滴の水が流れない、失敗である。
散々点滴打たれてたから、いつもの血管に刺さってる痛みと違った気がしたんだよな…(笑)
そして先輩さんが代わりに刺す。
今度は痛い、血管に入った感じだ。
しかしそれも失敗。
結局OJTのお姉さん先輩が呼ばれて、腕ではなく俺の手の甲に点滴の針を刺して行った。
俺の腕は血管が見えづらくて難易度高いらしい。
腕に刺せない場合は手の甲に刺す。
前回点滴担当してたノリの軽いネーチャン風の看護師さんも難易度高いって言ってた。
ガチャで例えたらどれくらいかと聞いたら
『うーん。星5中の…星7っすね。』
…限界突破かよ。
『取りあえず刺してみていいっすか?』
と聞かれる。
『まあ刺すしかないですよね。』
覚悟を決める俺。
『そんじゃいきます!…多分ここだ、入った、よし…後は点滴流れてくれ…!お、流れた!よし!…あー緊張した!』
こんな感じだったからな…。
そんなだから新人さんには難しかっただろう。
あの後Oさん見かけてないけど大丈夫かな?
先輩さんに怒られて泣いてないかな?
なんて心配してしまう。
イケメン看護師のYさん。
名前みたいな名字なのとジャニーズ系のモテそうな顔立ちで一発で覚えた。
話し方も丁寧だし俺がちゃんとクスリを飲んだかもキチンとチェックしてた。
他の看護師だと『クスリ飲みましたかー?』と軽くチェックするだけなのに、ちゃんとクスリを飲んだ後の空ケースを1つずつ確認してた。(本来そうやってチェックするのが正しいと最初の看護師が言っていた。)
そのお陰でうっかり飲み忘れてた薬に気づいて指摘してくれた。
アンケートにこの事を書いて投函しておいた。
Yさんの仕事が丁寧だったから評価してあげて下さい、と。
上司の人はちゃんと褒めてくれただろうか?
せめて仕事のモチベーションに繋がってくれたら嬉しい。
うちの母親が見たら絶対気に入るだろうな、とか思ってたらドンピシャだった。
『この前着替え持っていったらイケメンの看護師がいたよ!』って退院した後に聞かされてやっばりかって思った。
他にも顔を覚えてる人はいるけど名前が一致しない。
若い人はちゃんと『今日担当の○○です。よろしくお願いします。』って名乗ってくれるんだけど中堅以上になると割とその辺省略される。
何はともあれたくさん世話になった。
それが仕事だからと言われたらそれまでだけど、
直接見えなくても尽力してくれた人達もいるんだろうな。
入院中に世話してくれた人達ありがとう。
あと心配してくれた宛メの人達もありがとう。
お前のことなんぞどうでもいい。
とか思っててここまで読んだ奴は海に流してくれ。
185046通目の宛名のないメール
小瓶主の返事あり
お返事が届いています
名前の有った小瓶
(小瓶主)
つきよのさくらさんへ
お返事ありがとうございます。
この小瓶を流したのは 1年以上前、
過去の自分が退院したあとと書いてたので2023年8月頃だと思います。
入院生活は苦痛でしたが、看護してくれた人達の優しさに助けられました。
小瓶流した頃は流れるまで1ヶ月待ちとかで、この小瓶も埋もれたままだったんでしょうね。
返事が来たことで、この小瓶を流してたことに気付き、当時新人だった人達は今は成長してもっと活躍してるんだろうか等と思い出すきっかけになりました。
看護の仕事は大変だと思いますし、看護に限らずサービス業など、人(顧客)と直接関わる人達には頭が下がる思いです。
仕事をしていて不満やクレームを聞くことは多くても、良かったところってなかなか伝えることも言ってもらえることも少ないので、良かったところはなるべく文字や言葉にして伝えたいですね。
善かったことをアンケートに投函したけど、現場の人達への感謝が伝われば良いなと思います。
つきよのさくら@こころ穏やかに
名前の有った小瓶さんのお手紙を読ませていただいて、素晴らしい内容だと思いました。
入院中のエピソードは、患者さんでないと表現できないことが多いと思います。
ホスピタリティーの勉強につながることもありますので、たくさんの人に読んでもらえたらいいのになと思いました。
点滴の場面での失敗はよくあることのようですね。
個々の血管次第なのでしょうか。
両腕が失敗した時、あとは手首か手背ですよね。
手首はとても痛いのでなるべく避けたいのですが、選べないので観念します。
おかげさまでいろいろなことを思い出しました。ありがとうございました。
きっかけがないと思い出すこともないことって、たくさんあるのでしょうね。
以下はまだお返事がない小瓶です。
お返事をしていただけると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。