やさしいねこ
眠れない夜に
とふ…とふ…と
布団を踏むあなたの優しい重み
丸くてふわふわの背中が
規則正しく上下している
それを見て私は安心して眠る
悪夢を見て起きると
暗い部屋には誰もいない
私の存在もない
焦りと恐怖が私を襲い
必死で意識と目の焦点を合わせる
あなたの可愛い姿が目に映った
布団からはみ出して
うんとカラダを伸ばしている
現実に戻ると
可笑しさが込み上げてきて
猫の名前をそっと呼んでみた
尻尾がほんの少し動く
寝ていても返事をしてくれるんだね
ありがとう
大好きだよ
そっと背中に手を触れる
柔らかくて温かい
伸びをした猫の手が
私の頬に触れる
私はまた眠りにつく
幸せな気持ちに包まれて