考えることがある。私は幸せで、健康で、恵まれていて……だから自分が自分じゃなければ、社会に出て働いて、今の私が理想とする自分になれるんじゃないか？って

考えることがある。

私は幸せで、健康で、恵まれていて……
だから自分が自分じゃなければ、社会に出て働いて、今の私が理想とする自分になれるんじゃないか？って。


でもたぶん、誰かが私になった瞬間わかるのだろうとも思う。「あ、できない……」って。


それはたぶん逆も。
私だったらこうする。僕だったらこうする。俺だったら……
こういう案が浮かんで、いざ実際に、その者の立場になったら。その者になったなら……
浮かんだ案が全部崩れさって身体が重くて何一つできなくて。
そんなことになるという考えを持ってる。


他者の苦しみが己を襲って、自分はなんて幸せなんだろう。なんて楽なんだろう。とわかったところで動けるようになるかはべつだ。
苦しみから逃れる術があって、自分が何をすればいいかわかってて、それができる健康な身体も持ってて……はたから見ればなぜそれをせずにグチグチ言ってるの？って状況でも、当のわたしは「できない」のです。
でもはたから見る人はそれを納得できない気がして、わたしは「やらない」という風に言ったりする。
「望んでやってないならしょうがないね。それが貴方の生き方なら好きにすれば？」って放っておかれたいんだ。

できないアドバイスをあれこれ言われ続けるより、もう放っておかれたかったりする。でも説得力ないよなあ。
ここにいる時点でさ。


他人に見限られるために、他人と関わろうとするの変かなあ。
他人に失望されるためには、誰かと関わらないといけないもの。
けど臆病だから、あんまり攻撃されないとこでやりたくて。

それも説得力ないかあ。
どうかなあ。


羨ましがられるのは重々承知。
わたしは、自分にないものを持ってる時点で全部羨ましい。
それが、とても辛く苦しい病であっても。
最低なのもわかってる。
当の本人からすればとんでもないと思われるのも。それはでもこちらも同じだ。
わたしという存在が誰もが羨やむような生活をし、能力を持っていたとしてもだ。
わたしはわたしを殺したくて仕方ないのだから。


ゆえに誰かになりたいとは考えないようにする。
あの賢い人の脳を、あの美しい人の顔を、あの自由に歩ける人の足を……この身にほしいなんて思って、実際にそれができたところで、苦悩の量が、苦痛が増えるわけでも減るわけでもなく結局誰かを羨ましがるのなら、

今の自分を生ききって、それでおわりでいい。


君が僕になってしたいことと、僕が僕としてしたいことは違うし。
僕が君になってしたいことと、君が君としてしたいことは違うだろう。
君が僕になって自分を生かしたいように。
僕は君になって自分を死なせたいんだ。

君が僕の身体を動かして幸せになれるなら、喜んでこの身をあげるけれど、
あげたところで、急に事態が好転するようなことはあるだろうか？

今まで死にたくないと考えてたのに、死にたいと考えるようになるかもしれない。


疲れてきたからこの話はもうこれで終わりにしよう。

さようなら。

またべつの小瓶で