みんなが、消えてく、楽になっていく。
でも、私はそれを望んでいない。
いなくならないでほしい。
みんなが、最後の小瓶を流していく。
でも、私はそれを見逃せない。
消えないでほしい。
でも、私はそれを追いかけようとしない。
ただ、涙を流して見送るだけだった。
消えていく人はそれを望んでいる。
でも、私は望まない。
あんなにみんな、いい人だったのに。
また、一人、また一人、楽になっていく。
あの人は苦しんでいる、楽になろうとしている。
でも、みんなはそれを止めはしない。
止めてはいけないとわかっているから。
あの人はそれをするための計画を立てている。
でも、それを知る人はいない。
知ろうとしないから。
でも、心のなかでは思っている。
けれど、言葉にすることはしなかった。
消えていく人は楽になれると信じている。
でも、私はそうとは思わない。
周りの人が涙を流すことになるから。
また一人、また一人、見送られていく。
でも、それでも、私は止めない。
それが楽になるための、唯一の手段だと、思っているから。
決断を、すでにしているから。
それだけ、辛かったのだから。