何も見えていなかった
代わりに自分は何を見ていたのか
盲目だった
誰よりも頭が悪くて
誰よりも姑息で
誰よりも気色悪かったのは実際自分だった
現実、誰がどれほど
それを見抜いていたかは知らないが
私はその場で最もグロテスクな人間だった
見るに耐えない自分の中の生傷を
どこでも
他人に常時公開しながら生きていた
笑いながら
泣いて
苦しんで
他人を見下して
無様に助けを求めて
何が正しいかも分からないで
自分があほみたいに荒廃していく有様を
それと認識できないままにただ傍観していた
自分の非はあくまで認めたくないカスみたいな人間性
自分のことしか考えられないから
誰のことも知らなかった
誰も存在しなかった
誰かになにかに流されつづけて
何も考えないで
傷つかないために全神経を集中させて
私の脳みそは自分自身を殺したときのことを
ずっと鮮明に覚え続けていた
みんな自分を認めてくれるという甘美()
それは餌をもらえる条件を躾けられた犬と同じなんだと
知ってた?
知ってたよな
馬鹿で、弱すぎた
自分すら守らないで屈して
損なわれたことへの悲しみすら抱かない
それは自分の脳みそがお飾りだった証拠
お前は死んでたんだよ
自分が殺されているがために
都合のいい言葉に簡単にひっかかった
その結果の
作り物という事実が透けて見える笑顔と
怯えた仕草、信頼感のなさ、犬と同然の根性
現実はこんなにも自由で
私は誰にも咎められないのに
馬鹿が
犬みたいな根性はやめにする
私は私のためになにかをする
当たり前のことがやっと今できるようになった
いろんな人に何度も言われたことの意味がやっとわかる
私ってもう本当にどうしようもないくらいの馬鹿だ
私は私だから。さようなら
どうケジメをつけようとしてもキザったらしくなる
それも結局どうしようもなかったな
ずっと苦しんだことももう終わりになった
私が全部私なら苦しまなくてもいいことに
私は馬鹿だから何度も苦しんだ
課題は山積みだけど
それはこれからどうこうしていけるし、してかなきゃ
タイムリミットは迫ってるし
大丈夫
私は私に必要なことがわかるし
今したいことはわかるし
好きなこともわかる
今はそれをしていけばいい
で、それだけでいいんだよ、本当に