暗く沈んだ気持ちのまま、
ルジアはパンとサラダだけの質素な食事を摂った。
ぼそぼそとしたペンの食感を洗い流すように水を飲む。
少しだけ気分が浮上する。
……そうだ店。
ルジアは武器や魔術具の鑑定屋をしていた。
ドラゴンに支配されたこの国には、
時々『勇者様』がやって来る。
ドラゴンを倒して国を救いたいと志す者が。
この店は武器の買取、販売も行っているため、
この村に来た『勇者様』は
ほぼ確実にやって来るのだ。
……今日はどんな人が来るかな。
店の都の看板は、「OPEN」に変わった。
(あぁ、暇だ)
私は今お店のカウンターに立っている。
いつでもお客さんは来ていいのだが…
この大雪だ。
『勇者様』だって宿屋にいるに違いない。
どうしてここを支配してる
ドラゴンが氷属性なんだよ。
しかしドラゴンにキレたところで仕方がない。
コーヒーを啜り、椅子に腰掛けた。
(あそこのサビ取りの薬品切れかかってるな)
その時
チリンチリン♪
ドアのベルが軽やかな音を立て、
来客を知らせた。
「いらしゃいま…せ……」
やって来たお客さんの顔を見て
私は固まってしまった。
なぜなら…
姉が結婚を約束した人だったから。
✁キリトリ-----------------------------------------
皆様こんにちは。書き手です。
長らく放置してすみませんでした。
次話では、お客さんの正体が判明!
投稿したら、お返事欄にURL貼っとく。
投稿2024/07/07🎋