「ノアさん?」
私の鑑定屋にやって来たのは、
姉が結婚を約束した人だった。
海の色を彷彿とさせる青い瞳に、
毛先まで紫色の髪。
声と服こそ違えど、正真正銘のノアさんだ。
「えなんで僕の名前知って…」
「私ですよ私、ルジアです。」
ここ見てとでも言うように濁った左目を指さす。
私の左目は、
黒い靄(もや)がかかったようになっている。
「あ、ほんとだ。久しぶり。
なんかそこで思い出すの、悪い気するけど」
「いえいえ、これ私のチャームポイントですから」そこまで言って、私は今の状況を思い出した。
「で、何を鑑定しますか?」
十数年振りに会ったルジアちゃんは、
妖しさすら感じるような
美しい女性になっていた。
姉であるリジアちゃんが生きていれば、
こんな姿だったのだろうか。
彼女の年齢はあどけなさを残す
16歳で止まっている。
「で、何を鑑定しますか?」
そうだ、僕がここに来たのは…
「これを鑑定してください」
僕は、表面に見事なシラーが現れた
美しい短剣をカウンターの上に置いた。
ルジアちゃんは、その剣を
虫眼鏡で品定めをするように見てた。
ずいぶん長いことそうしていた。
そして剣をコトリと置いて、
パッと僕の方を見た。
見とれてしまったのは秘密だ。
「これ、どこで手に入れましたか?」
「えーと道に…落ちてた」
突然の質問に少ししまどう僕とは対照的に
ルジアちゃんは確信を持ったように頷いた。
「ノアさん、私とドラゴン倒しに行きましょう」
皆様こんにちは。書き手です。
サボってすみませんでした。
ちなみにシラーというのは、
「アルカリ長石を半球形のカボションカットした際、内部の層状構造によって光の反射と錯乱がおきることにより、表面に現れる白〜青の月光のような光が出現すること」
だそうです。(引用:Google)
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返信はしませんが、ちゃんと全部読んでます。
では、また次回の小瓶で!_φ(・ ・
投稿2024/07/14