「この剣、私の祖国で作られたものなんですよ」
私の祖国…シアグロ魔王国。
もう二度と見ることのない思い出の地。
「千年くらい前でしょうか。
この周辺国は、今と同じドラゴンに
支配されていました。
かつての魔王は、そのドラゴンを
属性の力を持った武器で倒そうとしたのです。」
「…合理的な選択ですね。
属性魔法はその辺の魔法より
何倍も威力があるわけですから。」
アレックスが顎に手を当てて呟いた。
「ですが、光属性と闇属性の武器は使い手を選び、
王宮から逃げてしまったのです。
そのため、残りの火、水、風、土の武器だけで
ドラゴンと戦うことになりました。
…結果、倒すことができず最後には
魔王に封印されました。
魔王を殺さなければドラゴンは出てきません。
つまり…」
彼女はそこで言葉を詰まらせた。
下を向いた顔から感情は読み取れなかった。
「まぁ、全部うろ覚えの神話なんですけどね。」
ニパッと笑った顔には、少し涙が滲んでいる。
「で、ノアさんが持ってるそれは、
脱走した闇属性の武器
『真夜中の短剣』です。」
「え、えぇぇええ!?」
言った瞬間、ノアさんは大きく目を見開いた。
それはもう落ちてしまいそうなくらいに。
「なんで僕が!?え!?」
全力でテンパるノアさんを見ていたら、
出かかっていた涙も引っ込んでしまった。
「ふふっ。ですからノアさん、
私とドラゴン討伐行きましょう?」
「マジかぁ…でも、誰かがやらないと
ずっと雪のまんまなんだよね。うん、行くよ。」
先ほどとはうって変わって、
力強い表情で頷いた。
「ちょーっと待ったー!」
「え、オトハ?」
「ルジア姐をどこの馬の骨かもわからない人とふたりっきりでドラゴン討伐なんて行かせるわけないでしょー!(ノンブレス)」
突然、ムッとした表情で
オトハが割り込んできた。
「うちも行くんだからね!」
「は?オトハが行くなら俺も行くけど?」
「オトハだけじゃ危なっかし過ぎます。
僕も行きますよ。」
オトハのボディガード(仮)も割り込んできた。
しかし、死の危険がある旅に
子供を巻き込むのは…
「そんなの知ったことじゃないし!
うちらなら余裕でしょ!」
「そうですよ。
こちとら魔の森の中にある村に
生まれた時からいるんですけど?」
「元王女様よりは戦い慣れてると思うよ」
「ぐぅ…」
しっかり反論された。
……この子達には、
この子達なりの考えがあるんだ。
「よし!わかった!
連れてってやるよドラゴン討伐!」
「やったー!」
ルジア・ブラック
ノア・ミザキ
アレクサンダー・ワトソン
フェリル兄妹
パーティー結成。
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皆様こんにちは。書き手です。
投稿頻度決めました。
毎週金曜日に続きを流します。
リアルタイムで流れる訳ではないですが…
覚えておいてくださると嬉しいです。