一年半前、リストカットが親に見つかり、ひどく怒られた。
親に貰った体に傷をつけるなんて、非常識だ、などと言われたことを覚えている。
世間一般の反応としては、それが多いのだろう。
だが、本当に手首を切るのはいけないことなのだろうか。
確かに自分の体に傷をつけるということは通常ではやらない行動なのだろう。
しかし、現実絶対に吐き出せないような心の痛みや黒ずんだ部分を切った手首が代弁してくれているような気がするのだ。
傷をつけていくことで、心の傷が消える様な気がしているのだ。
実際は切ることによって解決することはないし一時的な麻薬のようなものなのだろう。
だが実際にリストカットによって救われてきたこともまた事実だ。
死にたくて死にたくて堪らなかった時、切ることによって実際には死なずに済んでいる…。
僕はそんな風にも思えるのだ。