長文の感想や呟きです。
ど田舎に来た。
バスが来るのが四時間後って、馬鹿だろう。
近くの店でガリガリ君を買った。
食べながらバスを待って居ると、少し離れた所に犬がいた。
ミニチュアダックスだ。
首輪やリードは無いから、野良犬?
コンクリートの上に伏せたまま、じっとこちらを見ている。
「暑いな。」と話し掛けて、ガリガリ君を前に置いた。
ガリガリ君が青い水になったら、ペロペロ舐め始めた。
一時間、二時間経過。
犬はずっと待っている。
ふっと、中年男性が現れた。
犬に話し掛けている。
その人に話し掛けてみた。
「この犬はずっと何をしているのですか。」
「お爺ちゃんとお婆ちゃんを待っているのです。」
この犬は一人目の飼い主に虐待され、助けられた後に引き取られた里親は破産して夜逃げをしたが置いて行かれ、かわいそうだとお爺ちゃん引き取った。
老夫婦に大変可愛がられたが、昨年秋にお婆ちゃんが亡くなった時から、お婆ちゃんが毎日使っていたバスでお婆ちゃんが帰って来るのを待っていた。
雨の日も風の日も、お爺ちゃんと一緒に。
そのお爺ちゃんが先日、脳梗塞で倒れた。
意識も無いそうで、今は息子さんが犬やお爺ちゃんの面倒を看ている。
息子さんは会社を辞めて、生活を犠牲にしてお爺ちゃんと犬の面倒を看ている。
犬は今日も、帰る事の無いお爺ちゃんにお婆ちゃんを待っている。
一言も吠えずにただ黙って。
突然の死に翻弄される、遺された者達。
私が死ぬ時には、誰も待たせる事の無い様にします。
バスに乗る時に犬に誓い手を振った。
今頃はお店に頼んだお肉を食べているかな、僕からのご褒美です。