当然の事だということは、頭では分かっていた
ぶ厚い曇りガラスの向こうから声をかけてくる人間を
誰が信頼し、心を開き、共にいたいと思うのだろうか
私は本当は救われたかった、人の暖かさに触れていたかった
されど擦り込まれた痛みと恐怖の記憶が歩みだす足を麻痺させた
自分の心を守るために上手く歩けなくなった私を多くの人は置いていった
心を閉ざせば閉ざすほど、人は離れていった
そして痛みと恐怖は繰り返し積み重なっていく
いつか、穏やかな温もりに身を委ねる事ができるのだろうか
暗闇に差し込んだ、隙間光のような希望を私は未だ捨てきれていない