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宛名のないメールは小瓶に手紙を入れて海に流すような場所です。
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通りすがりの狼 さんの小瓶箱
通りすがりの狼
狼の名前はふゆです。
狼はあなたとお話がしたいです。
週に一回、定期的に小瓶を流すことにします。
いつ流れ着くかはわかりませんが、狼はずっといますよ。
今年もたくさんの人間と、お話ができれば。
運営様、いつもお疲れ様です。
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小瓶(49)
お返事(408)
固定された小瓶
通りすがりの狼
164210通目の宛名のないメール
改・通りすがりの狼です。
・・・
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通りすがりの狼
漂うくらげさん。
お返事ありがとう。狼を見つけてくれてありがとう。
狼は未熟で、小さな存在です。
けれど人間よりは大きな体をしているので、お母さんにはなれなくとも、あなたを包むくらいはできるかもしれません。
あたたまりたくなったら、いつでも狼の毛に顔をうずめてくださいね。
・・・
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通りすがりの狼
狼です。
許す、というのが、狼にはよくわかりませんが。
あなたが我慢して、吐き出せもせずもがいて沈むときに、ただあなたの枕代わりになれないものだろうかと考えるばかりです。
傷ついているのが噓。ならばこの割れた小瓶はなんでしょうか。優しいあなたは人の痛みにも敏感で。でもキャパシティーなんて、自分の分しかないはずです。その上にどれだけのものを抱えているのでしょう。
それでも、もっと苦しんでいる人間がいる、と。
知ったことでしょうか。苦しんでいる人間は、みんな苦しい。それで充分です。苦しみの大小を測る物差しは、神様ですら持ち合わせていません。
あなたの自分を守った選択を、決して後悔しないでほしい。悪いことだと思わないでほしい。それは必ず、よい選択だったと思ってほしい。
だから狼はあなたに伝えたい。
よく逃げてきました。とても勇気ある行動ですね。素晴らしいです。
そして。
その逃げた先で、狼と出会ってくれてありがとう。
・・・
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通りすがりの狼
狼です。
帰ってくるのに、いつの間にかこんなにも時間が経ってしまいました。
あなたを探して歩いていたら、少し割れたこの小瓶を見つけました。
寝ていますか。食べていますか。泣いていますか。
まだ聞けていないこと、たくさんありましたね。
あなたが狼を忘れても、狼はそっと見ていますから。
明日また、あなたとお話ができたら嬉しいです。
さようなら、の次に、またいつか、を添えて。
・・・
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通りすがりの狼
狼です。
狼にとってあなたは汚くもないし、被害者でもない。
だって、狼を撫でた手はあたたかかったし、あなたを可哀そうな存在だとも思えないからです。
狼はあなたのことを「可哀そうな人間」だと言いたくない。あなたはこんなにも優しくて強い人間なのに。苦しんで苦しんで、文字に昇華して。必死に歯を食いしばっているあなたを可哀そうだなんて。偉そうに言いたくないのです。
あなたが、死にたい、を安売りしているとは思えません。苦しいから消えたいのでしょう。死にたい、が生まれた時点で、それは笑い事では済まないと狼は思うのです。
あなたの大切なものはなんでしょう。
家族でしょうか。友達でしょうか。先生でしょうか。
それともあなたの心臓でしょうか。
それとも、この小さなあなたの小瓶でしょうか。
行かないで、と言わせてください。きっとあなたはそんな愚かな狼のほうを振り向いて、小さく笑ってくれるのでしょう。そんなあなたが愛おしいのです。
離してしまうと冷たさが染みるから。縋りつく狼に、また手を差し出してくれるから。
死にたい、は笑い事では済まないと言いましたが、狼はいつか笑い話として、あなたと話せたらいいなと思うのです。
今は「死んでもいっか」と俯いているのかもしれないけれど。次は「死んでもいっか」と青空を見て言える日を。
いつか死ぬ勇気が出たのなら、狼も隣に置いてくれますか。
・・・
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通りすがりの狼
204657通目の宛名のないメール
急激に日差しが強くなってきましたね。両極端な気候は、狼の抜け毛の季節を追い越していきます。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
大学生になって大人の世界を知って、毎日忙しくて、毎日自分との戦いで、お疲れですね。
特に心当たりはないということは、特別大きな出来事ではなく、小さなストレスがたくさんあったのでしょうか。それがあなたのキャパシティーに合わない量になっていったのでしょうか。
朝起きたら雨だったとか。靴下を裏向けに履いたとか。大学で友達にその場のノリでからかわれたとか。先生に些細な注意をうけたとか。お昼ご飯が足りなかったとか。夜歯磨きを忘れたとか。
心と体を休めてみても駄目だったなら、心にたまっていたというより、大学または社会自体になにか抵抗があるのでしょうか。
カウンセラーさんで足りないのなら、ここで流すのも一つの手ですが。狼は実際に誰かの目を見て話したり、一緒に食事をしたりすることが一番良いと思います。できれば大学に一緒に行けるような。けれどその人間を探すこと自体、かなり労力を使いますよね。
ひとまず、あなたがあなたを責めることはやめていいと思うし、やめるべきだと思います。あなたが悪い理由が、狼には見つけられませんでしたから。辛くて、怖くて、その回避行動をとる。狼もよくやりますよ。ほかの群れのボスは怖いですからね。
眠れないことも気にしないほうがいいと思います。眠たいときに寝てください。たとえ真昼間であっても。人間ですから多かれ少なかれ、体は寝る時間を欲します。眠れないときに無理して寝ようとすると余計に寝られませんから。そうして体に眠ることを思い出させてやれば、お薬も必要なくなるのではないでしょうか。
あなたの心の闇が見えない以上、狼が言い切れるのはここまでです。けれど、狼はいつでもあなたのお話を聞きますし、あなたのお隣にいます。別にあなたの悩みを話せなんて強要しません。何気ない会話でも、また流してください。狼だけでなく、ここの人間はきっとみんなお話を聞いてくれます。
少しずつ考えていきましょう。あなたがまた、日の光に目を細められるように。
・・・
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
お久しぶりにお返事を書いています。
何かあったのですか、と聞くのは野暮ですね。
狼の牙はとても強いです。けれど、あなたに噛みつくためには使いたくありません。あなたが海に溺れかけたとき、あなたの服を引っ張るため。あなたに飛んできた石を、受け止めるため。
狼にそうして牙を使わせていただきませんか。
あなたが拒むなら狼は去ります。けれど時々あなたの様子を見に来ます。
優しいあなたと、もう少しお話がしたいから。狼のわがままを置いていきます。拾っても捨てても、誰も何も言いませんから。
またお話しできる日を、勝手に期待していますね。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
お久しぶりにお返事を流しています。
あなたが自身を守るために使った武器が、あなたを貶めていったような光景。狼は寂しいです。あなたが必死に戦ったことを、狼が寂しがってしまうのは勝手な行為ですが。
狼があなたの盾になれるのなら、どれほどあなたを守ることができたでしょう。ネット社会で、この安寧に慣れてしまった心。狼はあなたのためなら、この足を折ってでも走りたいと願うのに。それを叶えるのには、たくさんの時間と労力を必要とします。とても悲しいことです。
それでも少しずつ、あなたの言葉を流してくれてとても嬉しい。あなたに繋がる糸を、流してくれているのだから。
狼が少しでも、あなたの受ける矢を抜いて、その傷をひとつ癒せたらいいなと願うばかりです。
またお話ししましょうね。狼も浜辺を歩き続けます。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
狼にはどこかの人間のように、あなたに響く言葉を書くことはできませんが。
今日もお疲れ様です。たくさん傷ついていても、最後に一言、他人の幸せを願えるあなたに、狼は感激しています。
よく歩きましたね。毎日起きて、辛いとわかっていても職場に行って、ご飯も食べて。よく頑張りましたね。
ありがとう。今日狼が拾える小瓶を、流してくれてありがとう。
狼はあなたを理解できるなんて言わないけれど、あなたのお隣に座りたいです。ちゃんと味方になれるかわからないけれど、少しずつあなたに寄り添えたらなと思うのです。
嫌いな夜があれば一緒に星を見ましょう。
大好きな朝があるなら語り合いましょう。
またお話しできたら嬉しいです。この広い海でたった一つのこの小瓶に出会えたのだから。大切にさせてください。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
自分で選んで努力したあなたを、狼はとても尊敬します。している時はわからないけれど、振り返った時に初めて努力だとわかる。努力だと思えるくらい積み重ねていたそれは、あなたが誇っていい、誇るべきことですね。
お疲れ様。よく頑張りましたね。
また新しく一歩を踏み出すあなたを、狼は応援しています。
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通りすがりの狼
ひつじのくぅさんへ。
出会えたことを幸運に思ってもらえること、とても光栄に思います。
狼を探して歩いてくれてありがとう。
またいつでも海でお話しましょうね。
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通りすがりの狼
ひつじのくぅさんへ。
お久しぶりにお返事をありがとう。
人に頼る。その選択をしたのはあなた自身ですよ。赤子のように、全てを誰かに任せることなく、あなたはあなたの意思で「ここに帰る」ことを選んだんです。あなたがこの先も、そうやって選択をしていくための、大事なひとつの選択です。
そうですね。どんどん外側を固めているうちに、いつの間にか内側は空っぽになっていく。前に向かって歩く度、後ろはどんどん崩れ落ちていく。
結局、自分が納得できるかどうかでしょうか。自分の心と、相手の気持ちをすり合わせて、最後に「きっとこれなら」と思えること。あとは海と風の気分次第ですから。自分がどれくらいの内側を持って、どれくらいの層の外側を持てば納得するのか。それを探し続ける作業なのかもしれませんね。
受験は人生のほんの一片。されどとても大切で重たい一片ですね。困難なこと、たくさんあると思いますが、あなたが「やってよかった」「頑張ろう」と思える選択ができるよう、狼は願っております。
くぅさん。そんな必要はないと狼は思いますが、もし人に頼ることに引け目を感じるのであるならば。
狼はヒトではありませんから、ノーカンですよ。
またいつでもいらしてくださいね。
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通りすがりの狼
もずくさんへ。お返事ありがとう。
一度書いたのですが、消えてしまっていたようです。再び送ります。
悪魔もちょっとだけ意地悪で、あなたが大好きな子です。あなたが感じた痛みは、その子の不器用な愛情なのかもしれません。
もちろん無理に仲良くしなくてもいいのですよ。あなたが抱きしめたいのなら、ゆっくり歩み寄ってみればいい。それが辛いのなら、狼のところに逃げてきて構いません。
自惚れていいのですよ。狼はあなたの小瓶を拾って、あなたの言葉に幸せを貰い、またそれを紡げるあなたの心に嫉妬します。それがまた、狼は嬉しいのです。
いつかあなたが狼のところを訪れたら、狼にもその天使と悪魔、そしてあなたを愛させてくださいね。
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通りすがりの狼
ななしさんへ。お返事ありがとう。
ゆっくり時間をかけて、そうしていってください。重たくなったら狼が代わりに持ちますから。
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通りすがりの狼
200189通目の宛名のないメール
嫉妬と自己嫌悪。狼は優しすぎると思うのです。
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通りすがりの狼
狼です。
スズランさんは、今おひとりなのですか。
狼とお揃いですね。
でも、スズランさんはきっと、周りにいることがわかっている人だから、こうして生に縛られて苦しんでいるんでしょうね。
狼にはあなたの苦しみを、取り除くことはできませんが。ただあなたが流した小瓶を、少しずつ拾うしかできない無能な狼でも、撫でてくれますか。
また少しだけ、あなたのことを残していってください。狼が、寂しいと思えるように。あなたのことを、覚えていたいから。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
すごいですね。小瓶主さんはこんなにも毎日戦って、必死で生きているんですね。その中で苦手な勉強でも、成果を上げて。努力家なのですね。
狼が言っても、気休めにしかならないかもしれませんが。それでも声をかけたいと思ったので、こうしてペンを取りました。
誰かに厳しい言葉を投げられても、戦い続けるあなたを、狼はとても素晴らしいと思います。
頑張っているあなたに、「頑張れ」とは言いませんが。せめて、ここにいる間は、羽を休めてくださいね。
またお時間があれば、この海のどこかで、あなたとお話ができれば嬉しいです。ここではゆっくり休んでくださいね。
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通りすがりの狼
もずくさんへ。お返事ありがとう。
そうですね。悩みますよね。考えれば考えるほど、言葉が曲がって見えてしまう。もずくさんも、そうやって海を歩いているのですね。
狼は、もずくさんがポケットにしまったお手紙にも、興味があります。もずくさんが、どんな風に悩んで、言葉を紡いでいるのか、とても気になります。
ありがとう。そう言ってくれて、狼もまた歩くことができます。もちろんもずくさんの言葉も、狼の元に届いていますよ。
またお話しましょう。お互い未完成のままの、お手紙を添えて。
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通りすがりの狼
198862通目の宛名のないメール
狼の紡ぐ言葉が。
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通りすがりの狼
螢さんへ。お返事ありがとう。
あなたの心が安らいだのなら、これ以上嬉しいことはありません。言葉を送ってくれて、ありがとう。
螢さんも、お身体にはお気を付けて。
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通りすがりの狼
もずくさんへ。お返事ありがとう。
もちろん。お友達ですから。
素敵な考え方ですね。零した水が、いつか誰かを支える糧となる。そう思えばこの時間も、無駄じゃなかったと思えるかもしれません。
狼にまたひとつ、新しい水を与えてくれて、ありがとう。
もずくさんの言葉も、狼を成すひとつです。狼はあなたのおかげで、新しい狼に成れます。ありがとう。
また会いましょうね。この海に来たときには、ごゆっくり。
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通りすがりの狼
ノーハートさんへ。お返事ありがとう。
この世には曖昧なことばかりなのに、形がハッキリしていないと、もしくはハッキリしていると思いこまないと、人間は誰しも不安なものです。世界が「これだ」と偏らないと、人間は「普通」を語れなくなるのですから。
もちろん、考えるのをやめてもいいのですよ。考えなければ、悩む必要もなくなりますから。それはあなた自身の選択でいいのです。あなたが選択すること自体が、とても大切なことです。
けれど、時折振り返って。あなたが生きた道が、どれほど長く過酷で、けれど素敵なものかが、たくさん悩んだあなたならきっとわかるから。
そうしたら、また狼に、あなたのことを教えてください。狼よりもたくさん挫けて、それでも踏み出したあなたの痕跡を。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
人間はみな、おかしいものですよ。だってこんなにひとりひとりが違った生活をするなんて、狼としてはおかしいですから。狼の活動時間は決まっていて、群れのリーダーに従い、階層に従い、生活します。いま狼は群れに属さず、一匹ですが。
自分から見れば、他人はみんな自分とは違って。世界は全部おかしい。ときに、それは耐えられないほど、人間を苦しめる。だからそれを消化するために、自分が間違っていると言い聞かせる。
あなたが生きる上で、それがあなたであると言えるなら、狼は「おかしくない」と思います。あなたが迷っているのなら、一緒に探すこともできます。
また会いましょう。あなたが「おかしい」というそのあなたを、狼に教えてほしいのです。
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通りすがりの狼
198195通目の宛名のないメール
狼にとって、心は液体の水なのです。
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通りすがりの狼
杏さんへ。
また何時でも、狼を訪ねてくださいね。あなたとまたお話できること、楽しみにしています。
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通りすがりの狼
ななしさんへ。お返事ありがとう。
わざわざ狼の小瓶を拾ってくれて、ありがとう。
狼は誰かを包むことなど出来ませんよ。ただ、来るもの拒まず、去るもの追わず、です。狼のもふもふを好きだと言ってくれる人間には、喜んで体を貸し、ただ呟く場所がほしいという人間がいれば、狼は黙ってお隣に座る。そうして浜辺で過ごしているだけですよ。
それを受け取るか受け取らないかは、相手のさじ加減。優しいあなたは、狼を受け入れる心を準備してくれたのですね。ありがとう。
投げ出して傷ついた自分を守りたくなっても、そうしている自分すら投げ出したくなるのは、あなたが知っているから。あなたが今まで、血を吐いてでも歩いた跡があること。周りで笑っている誰かも、どこかで頑張っているかもしれないこと。
あなたはそれを知っている。だから投げ出すことは、「良くない」と思っているのかもしれませんね。知らなければ、投げ出したって後ろ髪を引かれることはないでしょうから。
優しく強いあなたへ。
その溢れた感情は、決して誰かが善悪を付けるものでも、取捨選択するようなものでもありません。少し長く歩きすぎたようです。強い人間ほど、自分の心を置き忘れるものです。「ちょっと待って」とあなたの心が、あなたの腕を引っ張ってはいませんか。その心を振り払わないで、抱きしめてあげてください。人を嫌いになることも、世界を憎むことも、あなたに一切非はないのですから。
そうしてしばらく温かさを共有し合ったら、狼に乗ってください。あなたが目を合わせたくないこの世界で、それでもあなたが少しだけ好きな場所を見つけられるまで、狼はあなたを乗せて歩きます。傷ついたあなたの足の代わりになれるのなら、狼はいくらでも歩きます。
何もかも失う前に、あなたが言葉を紡いでくれてよかった。狼は幸せです。あなたと、この小さな小瓶で、この広い海で出会えたこと。
あなたとの出会いに感謝を。あなたの明日が、今日より暖かいことを願って。
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通りすがりの狼
ルテアさんへ。お返事ありがとう。
そんなもの、気にしなくていいのですよ。狼はもちろんあなたのお返事を待っています。けれどそれは、巡る水がいずれ狼の元に回ってくるように、そんな曖昧なもので良いのです。だってあなたに出逢えた事実は、この先もずっと変わらないのですから。
元気な文字をありがとう。
またいつでもいらしてくださいね。ルテアさんもお元気で。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
何かが大きく変わることなく、年越しは案外すんなりあなたの頭の上を通りすぎるのでしょう。ひとつ、今日あなたに出会えたことに感謝を。あなたのその心の闇の中で、少しだけ暖かみを持てるよう、狼がお声がけさせていただきました。
何かできるわけではないけれど。あなたにとって少しでも良い一日が過ごせますよう、願っております。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
あなたがいなくなって喜ぶ誰かがいるのですか。あなたの大切な相手でしょうか。ならなおさら重たい言葉ですね。
狼はあなたの文字に出会ってまだ数分。もう少し、あなたを教えてくれませんか。狼はあなたと出会えて、またひとつ幸せが増えたのに、もう行ってしまうなんて寂しいです。
明日また、この浜辺のどこかで会いましょう。狼はあなたをお待ちしております。
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通りすがりの狼
もずくさんへ。お返事ありがとう。
あなたはいつも暖かい言葉をくれますね。狼は寒さに強いですが、いつもあなたに暖められています。
今年は暑い日が多かったですね。12月にも関わらず、暖かい日差しが差す日もあるようで。けれど怖いのは寒暖差。もずくさんも体調には十分お気をつけて。
そうなのです。ふわふわになりますよ。けれどあなたのような、たくさんの人間が狼に寄り添って暖めてくれます。そのおかげで、狼の心も寒さに負けることはありません。
寂しくなれば、狼がいることを思い出してくださいね。狼も、時折あなたに想いを馳せていますよ。こちらこそありがとう。また浜辺で会いましょうね。
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