私は不倫をしている最低の人間です。あまりに毎日がつらく、どこかに吐き出さないと死んでしまいそうなので、この手紙を書きます

私は不倫をしている最低の人間です。あまりに毎日がつらく、どこかに吐き出さないと死んでしまいそうなので、この手紙を書きます。

相手は既婚の男性、私は独身です。
相手の男性が既婚者であることは薄々気が付いていながらも、好きになってしまいました。
当初は、自分の気持ちを伝える気はまったくなく、単なる憧れとして愛情を持ち続けるつもりだったのです。
ある時、相手から私のことが好きだと告げられ、我慢ができなくなり、自分の気持ちを吐露してしまい、隠れて抱き合ってキスをするような関係になりました。
その時に、今後、この関係を続けるにしても、体の関係はもたずにいようと、お互いに約束しました。

体の関係さえなければ不倫ではないなどと、そんなのはとんだ間違いです。
相手のご家族からすれば、立派な不貞行為であり、私は訴えられても文句はいえない立場になりました。
この関係が明らかになった時の彼のご家族の心の苦しみを考えると、私は殺人犯も同然です。
それでも自分の欲望を優先して、彼にすがっている私は人間以下のくずです。

彼に好きと言ってほしい。
彼に抱きしめられたい。
彼にキスしたい。
私の願望はすべて罪です。
しかし、それを彼に望めば叶ってしまう。

願望が叶えられるその一瞬に感じる幸福感は、今までに味わったことがないほど強烈で、その幸福感のためなら、なにもかもどうなってもいいとその時は思います。

かわりに、彼と別れた後は、絶望、悲しみ、虚無感、ばれたらどうしようという恐怖、不倫の加害者になってしまった自分への嫌悪感で、自分で自分を殺したくなる。
何をしても楽しくない。
夜になると、悲しくて涙ばかり出る。
彼から1日一度でもメールがこないと、捨てられてしまったという絶望で、体が動かなくなります。

彼からすれば、きっと私は、安定した家庭を維持しながら、ちょっとした恋人気分を味わえる、都合のいい人間なのです。

私に飽きたら、好きなタイミングで私を捨てて、何食わぬ顔で家庭に戻ればいい。
この関係を続けても地獄、ばれても地獄、かといってばれる前に別れるも地獄で、その苦しみを味わうのは結局私だけであって、彼ではありません。

それでも、私は被害者面できる立場ではなく、この苦しみや悲しみの感情は一切他人に漏らしてはならず、彼に関することも一切口外せずに今までやってきました。

それももう限界だと思い、こんなことはやめたいとメールで伝えました。
長い間返事がなく、ようやくきた返事は「そうなのか」の一言でした。

私の苦しみをすべて受け止めてもらえるとは思っていませんでしたが、職業柄、他人の苦悩を聞くことの多い人なので、もう少し言葉はなかったのかと恨めしく感じました。
要するに、所詮その一言で終わらせてよい程度の相手だったのです、私は。

それを頭で理解していてもなお、彼が好きで、悲しいので抱きしめてほしいと思っている今の自分の情けなさに腹が立ちます。
そんな男のために悩むことは愚かなことだと、もっとまともな恋愛をしなさいと、世間の人全員がいうと思います。
でも、彼以外、だめなんです。

もともとあまり男性が得意ではなかったのに、何故か彼には触れられても平気で、とても安心できる。
彼には何をいっても大丈夫、という信頼感がある。
結婚しているのに、他の女に好きだなんていう男のどこが信頼できるんだと、頭の冷静な部分ではわかっているのに、そこには気が付かないふりをしている。

全部わかっているのにやめられないんです。
「好き」ってなんなんでしょうか。
デメリットしかなくても、こんなに彼に執着してしまうのは脳のどういうメカニズムでそうなるのでしょう。
こんな不幸な要素しかない感情、消してしまいたい。

誰かにこの話を聞いてほしかったけれど、現実では誰にもいえず、最低な不倫女が悲劇のヒロインぶってる、と罵られるのも怖くて、ここに書かせてもらいました。
書いているうちに、少しは涙も乾いてきました。
言えないことは、文章にしてみると、気がわずかに楽になります。

もっと強くて、人に優しくできる人間になりたいです。
今の私は自分本位過ぎる。