夜がゆっくり更けていく
今日は久し振りに親に逢ってきた。
ほぼ一年振り
オバチャンやお祖母様にも逢ってきた
いつ行ってもひっそりと佇んでいる
小さい小さな石
お墓参り
手を合わせて近況報告
泣きそうに成った
変わらぬ風景
いや、山に緑の合間には山桜の差し色が在った
今まで気が付かなかった
一年二年じゃ無い色合いと大きさ
気が付いて居なかっただけ目に入って映って無かっただけ
もう一度親に逢い話しがしたい
何を話す?
いや、逢わなくて善い
話さなくて善い
親は強かった
俺は親の様には強くなかった。
今の俺を見たら親はなんて言うのかな?
いや、聞かなくて善い
知らなくて善い。
ゆっくり休んで居て欲しい
働き過ぎだったからね。
親にまで泣き顔を見せられないし泣き言は聞かせたくない。
心配はもうさせたくは無い。
俺の中で親は母親だけ
父親?
もう顔なんか忘れた
今更逢いたくも無い
話すことは何も無い
お墓に御供えをしたリンゴ食べてくれたかな?
最期の方ですりおろしたリンゴ美味しそうに食べてたな。
俺はリンゴを御供えに持って行く。
親には妻や子供を逢わせたかった。
親より先に逝くのは親不孝って言われてるけど、俺は親より長生きしてるからこの部分だけは大丈夫。
親より歳上に成ってもう数年
親が居なくなってもう30数年
何も恩返し、親孝行は出来なかったけど。
次に逢いに行けるのはいつかな?