今、ベランダに居る
飛び降りようと思っている
柵の上に乗ってみる
怖い
足が震える
震えながら足を下に戻す
また今日も死ねない
なんで怖いんだろう
僕は、小瓶の返事に「死ねないのは、何か生きる理由があるからなんじゃないですか?」
とか一丁前に言っているのに
僕は自分の生きる理由が分からない
何に縋っているのだろう
何に未練を残しているのだろう
母も兄も、この時間は居ない
死ねないか試し放題だ
外の世界は美しいな
僕とはちがって
空気があって、風が吹いて、雲が動く
変わらない日常の底に、何か異変が起きたとしても、誰も気づかない
僕もそれと同じだ
僕が死んだって、誰も不利益を被らない
母はお金が安定して、兄は弟に気を遣わなくてすむ
僕の彼女は僕というクズから解放される
みんやメリットだらけじゃないか
本当に、彼女はなんで僕を選んだのだろう
僕みたいなクズと付き合ってたら、君もおかしくなるかもしれないのに
あーあ。また今日も死ねないか
結局明日の自分にまた任せるだけだ
僕って最低だな