愛されたい。甘えたい。そっと手を繋いで欲しい。ダメなわたしを、肯定してほしい。
おかあさん。ねぇ、わたし、あなたに愛されたかった。
母親が私を産んだ年齢を何年も越した。立派すぎる大人になれた。それは数字だけで、中身は伴っていない。
きちんと育ててもらったはずなのに、私の中身は満たされない空虚でいっぱいだ。だからこそ、“母”に愛を求めてしまう。もう手遅れなのはわかっているよ。
愛を与える立場なのに。私はまだ、愛が欲しい。大丈夫だよって言ってほしい。何でもいいから肯定してほしい。現実は否定しかないから。いやそれも私自身のせいだから仕方ないけれど。わかっている。
抱きしめてなんて言わないから、だれかこの手を握ってくれないか。大丈夫だよって、肯定してくれないか。死ぬべき人間には、贅沢な望みなのだろう。何にもできない人間は、肯定なんてされるわけがない。