違いに優劣はない
確かにそう考えることも出来る。
みんな違ってみんないい、とも言うし、違うからといってそれがすぐに『どちらが正しいか』『どちらが上か』という話になるわけではない。
しかし、常にそう言ってられるとも限らない。
例えば、ある人は不必要な外出を嫌うタイプだとする。
その人は『外出は無駄なお金と時間と体力を消費する行為』『外出後の片付けや掃除の手間も発生するし、細菌やウイルスを持ち帰ってくるリスクもある』『わざわざ外に出なくても気晴らしは出来る』と考えている。
別の人(自分はこのタイプ)は、とりあえず外出したいと考えるタイプである。しかし、外出することそのものが本当に好きという訳でもなく、ただ何となく外出をしないと時間を無駄にした気になってしまうという考えの持ち主であるというだけである。
こういうケースでは、前者の方が合理的で優れていると言えるのではないだろうか。特に、この両者が一つ屋根の下で暮らしていたとしたら、なおさらのことだ。
外出したところで何の収穫もなく帰ってくる人間に付き合わされ、汚れやウイルスの心配をし、それでも口では『人それぞれ、好きなことは違うから』と言わされる側の気持ちはいかほどのものなのだろうか。
むしろはっきり『どこにも出歩くな。こっちは迷惑してる』と言えばいいのに