『この森で、天使はバスを降りた』
初見は25年前…。地元の寂れた劇場でした。
ワーナー・マイカル・シネマズがきて以来、昔からある劇場は次々と廃業してしまいましたが、そこはパチンコ店と併用し、細々と営業を続けていました。
館長の拘りなのか、人気作や話題作より個性的な作品を上映してました。私は映画雑誌で調べ、新聞で時間帯を見ては、よくはしごしたものです。
たった一人で田舎町にやって来た主人公パーシーが、自分本位な人々に安らぎを与えてゆきます。しかし…、誰よりも深い心の傷を抱えていたのは、パーシーでした。
相手を思いやる心と書いて“想い”は、誰もが等しく持っているもの。
今の時代、どんどんそれが薄らいでゆくようにしか感じていませんでしたが、それは私の視野が狭まっていただけなのだと気づきました。
両手を広げて「さア、みんなで始めましょう❗」ではなく、先ずは私が私なりのやり方で、やれることからやろう…。
周りの人に理解されない…
信じる人にまで理解されない辛さ……
それをこらえ、人への想いを寄せたパーシーの姿が痛いほど突き刺さります。
人は一人では生きてゆけないと言ったのは、誰だったか…… その想いを改めて噛みしめています。