この苦しみが偽物だというなら、もう生きていたくない。
私、なににもなれないわたしの苦しみは、甘えでしかないというのなら。
こんな苦しいことすら大したことがないのならば、ここは地獄に違いない。
精神科の先生に、「カウンセリングは受けた方がいいけどうつ病じゃないよ」と言われてから、言われた通りにずっとカウンセリングを受けているのに、苦しみは坂を下る一方だった。
カウンセラーの先生と2週に1回お話をして、45分なんてすぐに終わる。
そんなことを繰り返していたって何も無い。
あまりに変わらなさすぎて、それどころが下り坂すぎて、ある時私は、長らくぐるぐると考えていたことを口に出した。
「わたしのこの苦しみは、本当は偽物なんじゃないかって思うんです。わたしが苦しいのはわたしから見ての話で、客観的に見るとこれはただの甘えなんじゃないかって。病気でもないのにこんな……。そんなのは、苦しみではないんじゃないかって。」
すごく勇気のいる告白だった。
そうしたら、先生は少し困った顔をしたあと、
「そういう風に考えるのはよくないよ。そうやって言われたら、私も『もしかして本当にそうなのかな?』って思っちゃうというか…。」
なんて言葉を口にした。
その後も、「自分で自分の苦しみについて考えることはいいけど、自分自身でそうやって苦しみを否定しちゃいけない」とかなんとか言っていた要な気がするけど、頭の中が真っ白で真っ暗でよく頭に入ってこなかった。
『もしかして本当にそうなのかな?』って思っちゃうってことは、先生は少なくとも少しはそう思ってたってこと?
私の話をこれまで聞いていて、「なんだこいつ甘えてるだけじゃん」って思ってたってこと?
「病気の人に比べたら全然苦しくないのに、甘えるなよ」って……そう、思ってたってこと?
その日は、それ以上言うのがすごく怖くなって、先生の話にうんうんと頷いて、先生に提案された貼り絵をやって、おしまいだった。
でも、それは次のカウンセリングを待つ今もずっとずっと頭の中でぐるぐるしてやまない。
先生はわたしの苦しみを肯定してはいない。
そう分かっただけですごく怖くなった。
周りには誰も話せる人も分かってくれそうな人もいないから、わたし自身すら味方ではないから、先生だけが拠り所だったのに。
結局、わたしの苦しみを分かってくれる人なんて幻想だったんだ。
それもそうか。
先生から見てわたしの苦しみが甘えなら、もうそれは紛うことなく甘えなんだろう。
先生は「苦しみは人それぞれ」みたいなこと言ってたけど、そうじゃないんでしょ?
苦しみは人それぞれだけど、それは主観の話で、実際、その苦しみを周りが理解しなければ苦しみは成立しないでしょ?
だって、その人がどれだけ苦しくても周りの人みんなが「あれは甘えだ」って言ったら甘えじゃん。
「苦しかったね」って、「それを癒していこう」って、そう言ってくれる人がいないと苦しむことすら許されないんだから。
そうでなければ、「いつまで甘えているんだ」とか「苦しいとか言って怠けるな」とか言われてしまうから。
そして、「苦しみは人それぞれだ」なんて言うけれど、そう言う人は一般論を述べているだけで別段わたしの苦しみを肯定してくれているわけではない。
それはただ、「あなたが苦しいと思うなら苦しいんじゃないの?あなたの中ではさ」ってだけ。
わたしの中で苦しいと断定されるからなんなの?
だからといって、わたしがどれだけ苦しいと言ってもみんな分かってくれないくせに。
その苦しみに寄り添ったりなにかしたりするわけじゃないくせに。
というよりは、わたしが中途半端な時期に苦しくなってしまったからこんなことになってるんだよね。
18。色々なことが自己責任になる歳。
それでも、苦しくって疲れちゃってまだ一人で暮らせるほどの力はない。
だから、わたしがうずくまっていていいかどうかは親次第だ。
でも、その親から「あんたはいつも自分の感情だけが大事でそれだけだろ!自分が苦しい悲しいばっかりで何もせずに!」って言われてしまった。
…夕飯作ったりしてるのはノーカウントなんだ、と思ったのは置いておいて。
それで、親……特に母はそんなわたしが気に入らないらしくて「お前なんかさっさと出てけ!何もしないくせに!」って怒鳴られた。
2日連続くらいでそう言われた時は、もう本気で死のうかと思った。
母はきっと、わたしが「病気じゃない」からあそこまでひどく言うんだと思う。
母はそういう人だ。
診断されたことしか信じない。
それどころか、診断されたことすら罵倒の材料にする。
「できないことを障害のせいにするな!」
って、いつもいつも怒鳴る。
正直、障害とか精神異常を抱えている子供たちが集まる施設で働いててその発言だからあの人はもうダメだと思う。
そんな母が、うつ病じゃないと先生に言われているのにわたしの苦しみを分かろうとなんてしてくれるわけがない。
母はわたしがずっと普段通りだとでも思っているはずだから、通信制に通っててずっと家にいてだらしなくて、故に何を言ってもいいサンドバッグだとでも思っているんだろう。
母が言うことはいつも正論だ。実際、ずっと家にいてだらしないのも間違ってはいない。
だからといって、何を言ってもいいというのは間違っていると思う。…これも主観に過ぎなくて本当は何を言ってもいいのかもしれないけど。
「何ならできるんだよ言ってみろよ!何もしてないだろ言い返せるのかよ!」とか
「他の人に話したら『そんな子がうちの子じゃなくてよかった』って言われるわ!」とか
あまりに言葉がひどすぎる。
母はそれを、「言葉尻を取って悪者みたいに言うだけ」って言うけど立派な言葉の暴力じゃないの?
子供を叱りつける時に叩いたのを、「行動を部分的に切り取って悪者みたいに言うだけ」って言ってるのと同じじゃないの?
切り取ってるだけでも暴力は暴力じゃないの?
それでわたしが傷つくことも、「自分の感情ばかりを大事にしている」自分勝手なの?
どんなひどい事を言われても、できないわたしが悪いから傷つくことすら許されないの?
…ほらね、苦しみがわたしの中で確かなものであったところで、他人から苦しみと認められなければ苦しみは成立しない。
もういやだなあ。
こんなに痛くて辛くて苦しくても、病気の人の苦しみには勝てないからわたしの苦しみは永遠に苦しみにはならない。
病気にならない限りは、わたしの苦しみは甘えのまま。
こんなことなら生まれてきたくなかった。
生きていたくない。
でも、死ぬのってすごく勇気がいる。
どちらも億劫だ。
どうして生まれてきてしまったんだろう。
生まれてきたくなかった。
消えたい。
名前のない小瓶
147696通目の宛名のないメール
お返事が届いています
もなか
誰かが感じた苦しみに偽物なんてありません。
誰かに甘えだと感じられようとも、その苦しみは本物です。
苦しみを甘えって捉えるのだって、それこそ主観に過ぎません。
私も去年までカウンセリングを受けていたのですが、小瓶主様と同じで、「カウンセリングに意味なんてない」と思っていました。
カウンセリングを受けたところで今の状況が変わるわけでもないし、親しいわけでもない人に自分の苦しさを話すことが苦痛でした。
そんななかで、勇気をだして自分の考えを話せた小瓶主さまはとってもすごいと思います
それに対して、小瓶主様の考え方を否定したり、小瓶主様が傷つくようなことを言ったり、言っちゃ悪いけどそのカウンセラーさんはカウンセラー失格だと思います。
そりゃ、次のカウンセリングも怖くなっちゃいますよね。
それでも頑張って次のカウンセリングに来れている小瓶主様は本当にすごくて尊敬します。
心の拠り所になっていた先生にそんなことを言われてしまったのは、とても辛かったですよね。
本当によく頑張りました。
正論だからと言って、何を言っていいというのは間違いです。
断言します。
どんな人であろうと人権はあります
「自分の感情が大事」「自分ばっかり」
当たり前ですよ
人間なんだし
言葉が上手く見つからず、私のほうが年下なのに上から目線になってしまいました。
本当にすみません。
甘党(´;ω;`)
あなたは苦しい思いをしているってこと私は
認めるよ。病気がある・ないで苦しさも辛さも
比べなくていいと思う。
一般論とか正論とかきれいごととかそんなのじゃなくて
私の意見としてね、生きることって当り前じゃなくて
すごく大変で辛いことだと思うの。それで死を選ぶ人も
いるけどさそれも勇気とかいっぱいいるじゃん?
死ぬ選択をするのも生きる選択をするのもすごく
辛くて疲れると思う。
みんなこの世に存在する人は頑張ってると思う。
間違ってるとか否定されるって頑張ってるのにって
裏切られた気持ちになるよね。
大人とか親とか自分より長く生きてる人は
いつの間にか生きることなんて当たり前って
いう考えになってる。
きっと自分より長く生きてきたからいろんなところで
傷ついて大事な考え方の一部ががりがりと傷ついて
擦り減ってしまったんだと思う。
みんなみんな自分が気付かないくらいちょっとずつ
毎秒傷ついていてそれがいつか強く傷ついたとき
思いが飛び出すんだとおもう。
この世界はすごい大変で神様の意地悪さに
呆れる。
でもね、たまに幸せなこともあるから
ゆっくり生きてみない?
けっこう長いお返事になっちゃった。
読みにくかったよね、ごめんね。
じゃあこの辺でまたね!
ななしさん
全然甘えてませんよ。 生きるためにとても頑張っているのがすごく伝わってきました。
ななしさん
…あなたのお母さんの仕打ちが最低だから、それが原因であなたが苦しんでいるのは間違いないと思いますよ。
要約すれば「甘えだ」とか「迷惑かけるな」とか「恥ずかしい思いをさせるな」とか、全部お母さんからの攻撃ですよね。
身勝手で余裕がなく、他責傾向の強すぎる人が親だと、子どもはまず間違いなくあなたのように苦しむようになってしまいます。
そういう親達はやたらと言葉の鞭で攻撃して来ます。
断罪することで相手を支配し、コントロールし、自分が優位に立つために。
そうやって自分の子どもや身近な人間からエネルギーを吸い上げることで、彼ら彼女らはあんなにも元気でいられるのです。
それなのに、被害者を悪者にするのもその類の人達の際立った特徴です。
そのためなら、どんなことでもやってのけます。
だから、その構造をよく理解して、「甘え」だなんだという決めつけは真に受けないようにして下さい。
そして、何とかして親元から離れる方向で動くことを考えて下さい。
離れれば、それだけでかなり楽になれますし、散々に受けたトラウマを癒やすための環境がそれでようやく整いますから。
以下はまだお返事がない小瓶です。
お返事をしていただけると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。