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今、電子辞書にあったドグラ・マグラという本を読んでいる。なんでも読破する過程で一度は発狂するらしい。面白そうなので読破するまで毎日小瓶を流そうと思う。

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今、電子辞書にあったドグラ・マグラという本を読んでいる。
なんでも読破する過程で一度は発狂するらしい。
面白そうなので読破するまで毎日小瓶を流そうと思う。

先に言っておきたいのはここから先ドグラ・マグラの感想を述べてゆくため、未読で読む予定のある方はそっと手紙を巻き、別の小瓶を読んでくれ。



読み始めて数分、これは記憶喪失ものだ、と感じた。
主人公が思い出せる一番古い記憶が、本としても始めの時計の音。(その前の詩を除き、読者の持つ情報と主人公が持つ情報は同じ)
自分は何者で、ここはどこなのか、それすらわからず主人公は叫ぶ。

場面は大きく飛び色々あって法医学者の人との話。
主人公が忘れてしまった記憶に、ある大犯罪の糸口があるという。
また主人公が記憶を取り戻せるかどうかに命を懸けた人がいる。
主人公は記憶を取り戻さなければならない。
そのために色々やる、ということ。

主人公は言葉遣いや言語の「知識」は保持していた。そのため他人の言葉を理解し、自分が置かれている状況の特異性から人を疑うこともできた。
しかし、記憶は完全に喪失し、名前も年齢も、家族も思い出せない。
もし自分がその状況に置かれたとして、思い出す自信はない。

この本を読み進めると意外なことに。
なんと、途中で物語内に「ドグラ・マグラ」という原稿が出てきた。
しかもそれは、精神病患者が描き、精神病患者がにしか描けないような奇怪で魅力的なものだという。
しかし主人公はそれを読まなかった。
ループしてくれても面白いのに(ドグラ・マグラの主人公がドグラ・マグラをよみ、そのドグラ・マグラの主人公がドグラ・マグラをよむ…というふうに)。

主人公はその後、自分を今のような正常に思考できる状態にまでもってきた精神科学者の作品を読む。
そこにその学者の考えもあった、という流れ。

実はここまで読んでなんとなく同じく電子辞書にあった「キチガイ地獄」という小説を思い出した。
すると作者は同じ夢野久作。
なるほど、これは精神に異常を来すであろう。

キチガイ地獄のほうはどこまでも俯瞰でなければ混乱し、「どういうこと?」となる本だった。
初めは主人公の側に立って読んだが意味不明って感じだった。
改めて俯瞰で読み返す。
するとどういうことだろうか、混乱することなく、読み切り、この小説の文章全てが患者の妄言であるとわかる。

一つの視点に囚われるから、突如大きな変化があると混乱する。
例えるなら、いる場所が家屋だと断定したときに電車が停まり人がぞろぞろ入ってくる状況のようなものだ。
そこは実際は家屋ではなく、駅舎であった、と俯瞰で冷静に見ていたら判断できたはず。
また読み手も下手に断定せず、多少の疑いの目で見ればいいのではないのか。

ひぐらしを齧り推理小説を読みまくった私はこう考える。

しかしぎょっとした文章がある。
「精神病のものは自分が正常だと信じてやまない」らしい。
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アユム
ああ〜確かにボクも
自分が正常だと思っているからな〜
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