もう嫌だ全部投げ出したい
投げ出さないし投げ出せないけど
祖母と叔父からの文句を、一人で受けるのはもう疲れた
ただ、内容を言おうものなら今以上に両家が拗れるのが分かるからずっと頑張っている
フォローが上手になったことだけは成長だったかもしれない
昔から、両親それぞれの愚痴を受け止めてきた
初めて聞いたのは幼稚園の頃だったか
互いのいないところで、おのおの私を呼びだして文句を垂れるのだ
頑是無い頃は聞いた内容を100%は理解できなくて、何度か相手に伝えてしまったことがあった
もちろん大喧嘩になった
その経験があるから、同じ時期に始まった親戚からの文句聞きに適切なタイミングで相づちを打ち、自然と『八方美人』を習得していった
愚痴を吐く場は必要だと思ったからだ
幼さ故に家事を殆ど手伝えなかったから、そうでもしないと役に立てないと考えた
父からの「何も持ってないな」という言葉がトリガーだったように思う
聞いていて辛かったけど誰にも相談しなかった
他人へ漏らせば家の恥を晒すように思えたし、家人へは以ての外だ
媚びを売りたい訳ではなかったけど、後から思えば胡麻擂り以外の何物でもなかったように思う
皮肉にもそれが評価されたようで、親戚からは褒められることが多かった
そりゃそうだ、私は告げ口しなかったし愚痴聞きにも文句を言わなかったから最適だったろう
比較するように妹弟をこき下ろすから、愚痴以外の面、例えば勉強であったり優しさであったりの要素を踏まえてその点だけは反論した
親戚は苦虫を噛み潰した顔をしていた
面白くなかったらしく、その後も妹弟たちへの愚痴は続いた
まさか私が成人してからも続けられるとは正直予想外だったけれど
さて、そんな私は就活浪人をしている
それ自体は自分の責任だし、祈られ続けて心が折れたのだと誰にも言わないままでここまで来た
今年に入ってようやくフリーターになれた程度だ、つくづく社会不適合者だと思う
そうなってから、親戚たちは就活事情にも口を出し始めた
私が私自身の不出来な面を吐くまで、彼らは私を離そうとしない
年配者によく見られることだけど彼らは何度でも同じ話を繰り返す
のらりくらりと交わしていても限度がある、その度に私は「お前を高く評価しているが改善しないところを見ると人間としては欠陥品だ」と言われ続けるのだ
自分でも分かっていることを何度でも言われて辛いと、両親へ言いたくても、父母とて私の味方にはならないだろう
彼らはそう思っていないらしいけれど
「あんたは気違いだ、お母さんたちは子育てに失敗した」と零した母だ
「お前を採る企業はない」と笑いながら言った父だ
自分の言葉には責任を持つべきだ、なのに両親は綺麗さっぱり忘れている
私だけが反芻してのたうち回っている、自分自身の記憶力の高さを恨んだ
自殺願望とは長い付き合いだ
ODや首に縄跳びを掛けるなど一通りは熟した
前者では幻覚を見、病院に担ぎ込まれた
自傷は…まぁあれだけでは自殺できないと分かっていて繰り返した
逃げ道を一方的に塞いで6年になる、昔から溜めに溜めた滓によって私の脳は『如何に自分を殺傷するか』といったイメージを投影し続けた
何度か乗っ取られ、映像通りに怪我をした
これを読んだ方は想像しにくいかもしれない、でもそれはあなたが健全だという証拠と私は思う
どこにも逃げ場がないならいっそ棺桶に入る、というライフカードは昔から手の中にある
やるせない気持ちでそれを選ばなければ良いなぁとぼんやり思う程度の話だ