毎日与えられたレールの上を走り続ける
こうすれば間違いはないから、こうすればいいからとそんな環境の人生だった。
自分に何をすべきなのかを教えるのは親から教師、教師から会社へと変わっていった。
毎日毎日、与えられたものをやるだけの毎日。
ふと鏡を見れば、いい歳しているはずなのに自分がただの赤ん坊のように思えた。
ここは危ないからこうしましょうね。これをやるといいからこれをしましょうね。
根本的には今の自分はそうやって他者の価値観の上で存在しているだけの何かにすぎない。
生きていない。心臓が動いているだけ。ここに存在しているだけ。
でも、生きていない。
自分の人生を今まで一度でもちゃんと生きた事があっただろうか?
自分の人生で自分はどうあって何処へ行くのかしっかりと考えた事があっただろうか。
最近になって、そんな事をふと思い始めた。
もしかすると、自分はつい最近まで本当は生まれていなかったのかもしれない。
哲学的ゾンビや人工無能よろしく、ただ教えられた反応を返すだけのそんな存在だったのかもしれない。
しかし最近になって、ようやく自分の人としてあるべき自我が目覚めたような気がする。
意味が欲しい。
自分がここにいる理由を知りたい。
何故自分なのか。何処から来て何処へ行くのかを知りたい。
自分は、生きたい。