共感出来なくなる。
昔はそうだった。昔は自分もそうだった。
少しずつあの時の自分では、なくなっていく。
誰かに差し伸べたい言葉は、少しずつ行き場を失って、心の奥底に沈んでいく。
助けたい、何か力になりたい、そう思っても、自分自身を否定する。
「それは?その言葉は?人の解釈は?」
自信がないと言うよりも。
自分が何をしたいのか、解らないと言うよりも。
重みに引かれて落ちてゆく。
誰彼の視線を気にして、自分の気持ちを大事にして。
誰彼の目線を気にして、自分の気持ちを大事にして。
どちらも大切な事なのに、どうして上手くいかないんだろう。
どうして言葉がつっかえるんだろう。
理由にする意味もなく、心が八つ裂きだ。
どこを見て良いのかも解らず、宛てもなく視界が彷徨う。
バラバラな心を取り戻すために。
そうして、ちぐはぐな毎日がやってくる。
誰にも見えず、自分に見えず、場所を彷徨う。
何かにぶつかっては、その感触を自分だと思い込み、思い込んでは飲み込んで。
…そんなのもう、やめにしないか?
人は過ぎ去っていく。
知らなかった過去を、浅はかだと後悔していく。
いくつ歳を重ねても、幾つもの経験を重ねても、今、現在が、一番未経験だ。
先の事など曖昧で、誰にも解らない。
そうだろう?
どこにそんな視線がある。誰の目がある。
お前の目だ。自分自身の目だよ。
誰彼の視線を気にして、自分を大事にして。
そんな視線は、自分自身のものだ。
自分自身の視界だ。
俺は見ているぞ。
うずくまった闇の中を、俺は見ているぞ。