小さい頃にもっと親に褒められたかったなぁ
うちは、姉が器用で才能の塊みたいな人だから、私は褒められることがなかった。大人しくしてたから、「いい子」とは何度も言われたけど、技術面では全く褒められなかった。
姉は手先が器用で、絵を描かせても、編み物をやらせても、裁縫をやらせても上手。ついでに勉強もできる。実際、信憑性は分からないけれど、IQは私より高かった。
姉のその才能を伸ばそうと、親はペンタブレットを買ってあげたり、手芸キットを買ってあげたり、編み物を教えたりしてた。
とはいえ、姉は発達障害を持っていた。欠点なしの超人という訳ではないのだ。学校では所謂問題児で親の呼び出しも多々あった。つまり、私は姉と比べて「手のかからない子」だった。言い換えれば「突出した何かを持っていない良くも悪くも普通の子」。
姉の大変さは知っているし、親は姉が将来苦労しないように特技を持たせようとしているのはわかっていた。
私の趣味は姉に似ているようで、絵を描くのも手芸も好きだったけれど、「私も」とは言えなかった。姉の才能は私から見ても明らかだったし、「私には勝てないんだろうなぁ」としか思えなかった。
今になって、姉が家を出て親は私を褒めるようになったけれど、どうにもそれを本心とは思えない。どう足掻いても、姉がやった方が素晴らしいものが出来るのだから。近くにいるのが私だっただけなんだ。
一輪車に私のほうが早く乗れた時に、それを隠すように言われたのは今でも忘れられない。姉の自尊心を無くさないためらしかったが、私のそれはどうするつもりだったのだろう
その為か、私は人を褒めるのが下手だけど、いつか子供ができたら思いっきり褒めて、好きなことをさせてあげたい