自分の夢を諦めた時に、人の夢を応援したくなるのかな。
シンガーソングライター志望だったとき。人の音楽を聴いては、私の方が上手く歌える、私の方がいい歌詞が書けるなんて強気で思い上がったことばかり考えていました。
だけど生活するので精一杯。人との関係も築けない。曲は作りかけのものばかりで形になったのはわずか。
音楽どころではなくなりました。
消化不良のまま大学生になり、就職、転職。苦手で嫌いで興味がない部署に配属。仕事はおろか、働くことへのプライドさえ失ってしまいました。キャリアを積むのをこんなにも早く諦めるとは思いもよらなかった。
今は毎日、料理、洗濯、風呂と掃除。
生活するためだけに生きています。
高校はずっとロックを聴いていたのに、今はヒップホップやEDMが心地よく聴こえる。尊敬するDJがいて、応援したいと思う。好きなことを貫いた人への歪んだ羨望なのかもしれないけど。
ただ浴びるように聴いて体に音と歌詞を染み込ませたロックの時ほど熱情はない。
何が好きなのかもわからなくなってきた。
私にとってロックは嫌でも内にある闇と向き合わざるを得ないもの。
対してEDMは頭を麻痺させてその闇を
考えないようにすることなのか。
でも、DJがつなぐ音の根底には、悲しみを昇華した人間にしか表せない強さがあり、だからこそ闇を乗り越えて前を向かせる力がある。それゆえ人を高揚させ、躍らせる。
闇を突き詰めると光に、
悲しさを突き詰めると、楽しく生きる選択をするのだろうか。
闇に向き合う勇気も楽しく生きる強さも私は持ち合わせていない。
人の夢を応援しているポーズをとりながら、一生自分の人生から逃げ続けるのかな。