自主制作のような、俳優もカメラワークもぎこちない映画を見たあと、お酒のせいもあってか、なぜだかひどく悲しい気持ちにおそわれた。
映画の話は、島の役場に勤める女性が上司との不倫をしながらも、このままではいけないと思いつつ流されているようなときに、イレギュラーなイベントが起きて、自分自身の気持ちをはっきりさせるきっかけになるというような話。
おもしろいわけでもない、違和感も感じる。けれど、僕自身も今の生活を少しばかり振り返ってしまい、途端に虚しさに襲われた。
生活が苦しいわけじゃない、むしろうまくいっている、これからも頑張っていかなくてはいけない、そんな状態にありつつ、不意に襲われた虚しさで、居なくなってしまいたいと思ってしまう。なんとも自己嫌悪がひどいのか、考える時間があるというのが、よくないんだろうな。
成功を納めている実力派の俳優や女優が自殺した。ただ、疲れたんだろうと僕は思う。そして悟ってはいけないものを悟った。