私の物語はぼんやりとしていて伝わりにくい。
抽象的な心情描写。
それでもいいなら、ぜひ見ていってください。
私の、私だけの物語です。
感想やアドバイスをいただけると幸いです。
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「甘い甘い愛情なんて、きっともう貰えないよ」
彼女は目を伏せながら呟く。
ぼんやりと、それでいて絶対的不変の感情。
心に巣食う暗い暗い影を落とし込む。
艶やかな絹を編んだ髪に宝石を嵌め込んだ瞳。白い陶器の肌を着飾る可愛らしい洋服さえも霞むような彼女に、晴天は返事をしなかった。
真南から照らす太陽。
汗をかくのも忘れそうな日差しの中、彼女のスカートがふわりと揺れた。
「じゃあ、話をしようか」
憂いを帯びた瞳が、揺れた。
「おまたせ」
遠くから、声が聞こえた気がした。
「ぁ……」
ずっと捜していた。
月日が経つにつれ、掌が虚空を掠めるように、記憶は虚ろになっていって。
それでも、と捜して捜して、捜し求めて。
一筋、光が溢れた。
その瞬間、想いが、溢れ出した。
「ずっと、ずっとずぅっと……、待ってたんだよ」
記憶の霞みが晴れたように、思い出が溢れかえる。
「独りじゃ、生きていけないからっ、二人なら大丈夫だよって言ってくれたから」
あの日、独りぼっちの彼女を慰めた言葉。
「いつでも、いつまでも一緒にいるよって、言ってくれたからぁ」
呪いのように、今も彼女を蝕み続けている言葉。
「だから、だから、いつか迎えに来てくれるって信じて、ずっと待ってたっ」
止まることを知らない涙。
想い。
「ずっと、待ってた」
どこか優しい風が吹いて、柔らかくスカートがなびいた。
懐かしいあの日のように、頭を撫でられているように感じた。
いつまでも、後ろは振り返らなかった。
聞こえるはずのない優しい声。
振り返ったら、夢が終わってしまいそうで。
思い出に心を馳せるように、声を形にしていった。
あの日のこと。
春の日のこと。
夏の日のこと。
秋の日のこと。
冬の、日のことも。
独りぼっちがどれだけ辛かったか。
いつになれば凍えた指先をあたためてもらえるのか不安で止まなかった。
それでもきっと、いつか迎えに来てくれるからと、冷めた朝日を浴び続けた。
朝が過ぎて太陽は沈み、そしてまた朝が来る。
春が終わって夏が来たかと思えば、気づけばもう春になっていた。
心は凍てつき、一日一日に意味などなかった。ただただ過ぎ行くだけの日々。
独りで過ごし続けた虚しさだけの時間。
報われることはないのではないかとも思った。
捨ててしまおうかとも、思った。
凍てついた心が溶けるように、凍えた指先をあたためるように、独りきりの日々が涙を流した。
寂しさばかりの日々が叫んだ。
時が経つのも忘れるほど、彼女はずっと一人で語り続けた。
溢れた大粒の言葉は晴天に吸い込まれては満たされていった。
返事なんて、待っていなかった。
気がつくと目の前に満天の星が散らばっていた。
夢が現かはわからない。
それでもいい。
たとえ夢であっても構わない。
幻であったって構いやしない。
あの一瞬だけでも意味はあったのだ。
彼女が生き続けた、意味は。
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とても美しくて、素敵な文章でした。
書いてくださって、
ありがとうございます。
読んでいて、
とてもいい気持ちでした。
想像が膨らむので、
とても面白いです。
小瓶を、保存させていただきました。
何度も読ませていただきます。
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