逃げたくない。
でも体が動かない。
使っちゃいけないエネルギーを
使って生きてきた。
タコが自分の足を食べるみたいに。
もうエネルギーがない。
ほかのところから
調達してこないといけない。
それが楽なはずなのに、
できない。
何を間違えているのかわからない。
ずーっと前向きに努力してきた。
長い時間をかけて、
色々なことを変えてきた。
成果は出た。
でも満足はない。
あらゆる目標を達成した、
でも達成感はない。
収支は莫大なマイナス。
客観的に見れば貶しようのない人生、
だからこそ、
わたしはわたしを認められない。
なんにもない。
こんなに頑張ったのになんにもない。
なんでもあるのになんにもない。
直接的な苦痛があった頃は、
この痛みさえなくなれば
よい人生が待っていると思っていた。
実際、一日中
身体的苦痛のない日は、
慣れないうちはいいものだった。
でも、もう当たり前になってしまった。
それどころか、
苦痛がないことが苦痛だ。
克服すべき目標がない。
何もすることがない。
何もしたくない。
何もしないのは恐ろしい。
何かしなければいけない。
本当は何もしたくない。
何もしない苦痛と、
何もできない苦痛と、
何もしていない恐怖に
押し潰されている。
辻褄を合わせたい。
わたしは罪人だったから、
こんな酷い目にあうんだと思いたい。
そうすれば何も憎まなくてすむ。
わたしは罪人ではない。
馬鹿馬鹿しい。
憎い。
わたしを傷つけてきた
すべてのものが憎い。
何かをしなければという焦りも、
他人に植えつけられたものでしかない。
そいつを憎む。
焦るなら一人でやっていろ。
まだ生きている。
信じられないことに
まだ呼吸ができるので、
まだ変えられることもある。
好きに生きたい。
面白い物語を味わいたい。
綺麗な自然の中に行きたい。
見たことのないものが見たい。
いろんなことを
自分のペースで考えたい。
お願いだから、
義務を私の人生に
持ち込まないでいただきたい。
もう、余分な力は
まったく残っていないので。