あたまが痛い。
偏頭痛なのか、それとも気象病なのか。
瞳を動かすのも億劫で、ただ一点をじっと見つめている。
目の奥にある筋肉は肩に広がり、背中に広がり、不快な硬直とともに、どこまでも身体とベッタリくっついて離れない。
精神的な労苦は、こうして身体に重たくのしかかる。
世は世知辛く、これが人生だと言う。
腹もどんどん痛くなるし、皮膚の表面もザワザワする。
何より声が上手く出ない。
これが一番ツラい。
ところで、普通のひとたちはどうやって生きてるのだろう。
どうして少しの衝撃なら黙って耐えられるのだろう。
もうダメになりそうだ。
頼れる人もなし、生活の糧も、仕事も、精神も、身体も、頼りない。
ビュウとひと吹き来たら、きっと遠くへ行ってしまうだろう。
どうせ行くなら、ブエノスアイレスがいい。
そういう気楽さだけはまだ残っている。