おそらく今月で辞めることになるんだろうと思う。
様々な感情が蟠って汚いから誰かの目に晒すこともなくここまで来てしまった。言葉で表現するならどのフレームが合うのかいまだにわかっていない。惨め、恨み、逆恨み、憎しみ、そう憎しみ、損切り、対岸の火事。
私が辞めることで歯車が緩やかに壊れてしまえばいいと思う。というのは些細な嘘で、そうあるべきだと心は思い込んでいる。そうなって当然だと思っている。恨みの情は報いを願う心だとヴェイユは言うだろう。ならば恨みを抱く私の感情の置き方、乗せ方、ハンドルの切り方を間違えたのだ。私の感情の余剰は私の不統制の結果であるとは理性の談だ。
私の心は獣のように恨んでいる。
その刻印が強いほど私の頭も遠くでぼんやりと誤りを自覚する。誤っていることだけを自覚する。どこから誤ったのかはとっくにわからなくなってしまったことが、この感情を冗談めかして軽妙に晒すことさえできない理由だった。
なにが間違っているのかわからないから、間違ったことだけを持ち帰る。
ゆるやかに破綻すればいいと思う。恨。
炎上の中でいくつかの言葉の断片がぽろぽろと落ちて、それだけが私が燃えていることの証であるほど私は自失をしているのだと思う。
利口な言葉ならたくさん言える。厳重な鎧なのだから。利口な言葉の10倍は汚い言葉が出てくる。
その言動自体がそうではなくとも、私が話すということは自分の醜さを晒すことになるのだから人には話せない。そもそも話すほど大した話でもない。
ただ怒りが収まらないという話。
そして私は怒りが収まらない自分なりに上手く振る舞って自然にバイトを辞める方へとスライドしたのだから、他人になにか言われる筋合いはないという話。
そして私は利口だから、上手に忘れていくことができる。
つくづくのことだが、こうして文章に書き起こしてみると、私は他人にウィークポイントを晒すことを絶対的に拒んでいる。晒したウィークポイントに外野が頓珍漢な横槍を刺してくるのが1番の炎症やと知っているから、血塗れの時ほど誰も私に触るなと毛を逆立てている。泣いていいのは安全地帯に逃げ込んだ後だと知っている。それまでは泣いても喚いても怒っても負け犬の負け芸にしかならんから。
ほどほどに吠えたら生理痛も止んできたように思う。終わり。