札幌高裁で、違憲判決が出た。
今まで、地裁ですら、バラバラな答えだったのに、高裁で、しかも全ての項目で違憲が認められた。
喜ばしい。
小躍りしたくなるほど、嬉しかった。
政府の声明は、慎重に審議していく、と言うものだった。
慎重に、慎重に、そう言ってもう何年が経ったんだろう。
いつかいつかを待っているうちに、私はおばあちゃんになってしまうな。
同性婚が、ニュースになるたびに私は、初恋の女の子のことを考える。
高校生の時、1年ぐらい付き合ってた女の子だ。
お互い、多分結構好きだった。
でも、高2の冬に、彼女のお母さんに癌が見つかった。
彼女にとって、恋の熱に浮かされてた頭が、はっきり覚めた瞬間だったと思う。
ちゃんと現実を見た彼女に言われた。
「付き合って、それで将来どうなんの?」
ただ私は、一緒にいたかった。
春にお花見して、夏には窓辺で花火を見て、秋には、近所の銀杏を見にいって、冬にこたつで紅白を観る。
そうやって、1年1年を過ごして、歳をとって、当たり前に彼女が隣にいる。そんな風に思ってた。
でも現実は違うよな。
彼女は、私の存在を徹底的に隠してた。
変に噂される方が嫌だって。
お母さんが病気になってからは徹底的にかくされた。
病気のお母さんに知られまいと、気落ちさせないようにって。
自分、ほんと、大好きな人のストレスの原因でしかないじゃん。いないほうがマシやん。
親が大好きで、愛されてて、病気になったお母さんを死ぬほど心配してて、そんな子に、私は嘘を吐かせてるんだって思った。
どう考えても、付き合い続けられるわけないよね。
付き合ってこの先、一生一緒にいるって言っても、どこかで必ず、なんで?って聞かれる時が来る。
その時、一緒にいたいから、お互い独身でいます。
そんなこと笑顔で言えるかな。
あの時、
結婚というゴールがあったら、そう言う未来を考えられたら、彼女は私のそばにいたかなって考える。
可能性としては多分ゼロに近いけど。
そう言うたらればを考えてしまう。