視覚は嫌なものを思い出す切っ掛けを見てしまう。
聴覚はその時の言葉や音を思い出す。
味覚は零れ落ちた涙が入ってきた時に、味わった。
触覚は握りしめた拳の痛みを思い出す。
嗅覚だけはなんとかごまかせる。
人工的に作られた甘い香り。
刺激的な香り。
色々なもの。
苦しめるモノからは一切感じられない物だから、頭の中を空っぽにし、リラックスするものとして利用する。
呼吸、鼻から深く吸って、口からゆっくりと吐き出す。
脳に酸素を行き渡らせ、香りを覚え込ませる。
この場には自分を傷つける者は無いと。
過去に身につけさせた条件反射。
香りを嗅ぐと、落ち着き、傷つかず、恐怖を抱かず、自分は大丈夫だ。
それを思い出す。
今日もリラックスして良く眠れるといいなぁ。