僕ね、いなくなる決心をしたんだ。
もう、やめよう。もうつかれたなって。
学校に向かってゆっくり進めてた歩を止めて海に向かったの。
きれいで少し激しい海だった。僕は裾を捲って靴のまま進んだ。
少しずつ少しずつ。
太ももまで濡れるぐらいまで進んだところで急に深くなって、波の勢いが増して海に引き込まれる気がした。
こわかった。こわくなった。それで、
僕は逃げた。
死ねなかった。死ねなかったんだ。
僕はきっと死ねない。そう悟った。
涙が止まらなかった。かれるほど泣いたのにまだ溢れて苦しかった。
くるしかった。しにたかった。
もうどこにもいきたくない。逃げる場所もない。