碧海視点
残り4日となった今日。いつもなら「そろそろだ」と、気持ちが軽くなるけど、今日は変に胸騒ぎがした。
学校につき、いつもギリギリに教室にやって来る茜とは言葉を交わさず、ホームルームが始まった。
そして、耳を疑う言葉が飛び込んできた。
モ1「お前ざっけんなよ!!」
碧「ゔっ…」
なんで俺はこうなったか。ぼーっとした頭で考える。
『柚木萌希さんが、昨日の6時ごろ家を出てから、戻っていないそうです』
先生の声をおぼろげに思い出す。嫌な予感は当たっていた。
そして、萌希の取り巻きの陽キャ達に、放課後に呼び出されて…
モ2「なにぼーっとしてやがる!お前がもえちと仲良くするから、もえちは非行に…!」
モ3「お前みたいなのにもえちと仲良くする資格なんてないんだよ!」
殴られ、蹴られ、罵られ。でも、不思議と心は痛くない。それよりも、萌希を早く見つけてあげたい。
茜「あ、碧海…?」
位置情報を交換していたので、萌希の場所はすぐわかる。
でも、体が痛くてうまく動かせないのがもどかしい。
茜「碧海、無理しないでね。」
碧「ああ、分かってる。」
たどり着いたのは、普通の家よりかなり大きい、「屋敷」というのがふさわしい家だった。
碧「萌希ー!いるかー!」
茜「いたら返事してー!」
すると、しのびやかな泣き声が聞こえ、門の方に誰かがくる音がする。
萌「たすけて…」
残り4日。