綺麗に生きたい。
そう思ってはいるけれど。
社会に出たら、大人になったら、綺麗さなんて失ってしまうのだろうか。
だって皆そうじゃんか。
大人の間でも悪口は無くならないし、苛めも無くならないし、ネット上の誹謗中傷なんて酷いものだろ?
誹謗中傷の多くが40代付近の中年世代だと知って、心底驚いた。
大人ってそんなに良いもんでもないんだなって。
もっと倫理観があるものだと勘違いしてた。
「悪口を言っちゃいけない」と言いながらも俺を苛めた子に罵詈雑言を吐き捨てた母親。
「台風は全部中国に上陸すればいい」なんて特定の国に対して非人道的な言葉を浴びせかける祖母。
聞かせられるのが酷く辛かった。
そんなこと、許されるわけないだろ。
思うだけならまだしも、何で他人である俺に聞かせた?
相手に非があったら、何を言っても良いのか?
相手に非があったら、何をやっても良いのか?
そんな訳ない。
相手が誰で有ろうと、やっちゃいけない事はやっちゃいけない。
そう教わってきたのに、どうして……?
大学で、宗教も哲学も倫理学も必死で勉強してきた。
専門ではないが、犯罪学や刑事法、特に犯罪者の待遇についても必死で学んだ。
留学先で、沢山の国の人と出会った。
やはり間違っちゃいなかったよ。
どんな人にも好ましい部分とそうでない部分がある。
けど、それを理由に相手を貶めてはいけないし、やられたからといって同じ土俵に降りちゃいけない。
目には目をは個人で実践すれば必ず破綻する。
ハンムラビ法典はそもそも、行き過ぎた仕返しを抑制するという側面もあった。それなのに、この法典を騙って過剰に叩き返す似非正義がまかり通っちまう。
こんなのおかしい。
母や祖母のようにはなりたくないし、何なら子どもに背中を見せられない大人にはなりたくない。
かつて綺麗事のように世界を教えられた、その通りに生きてやる。
大学生最後の学期。モラトリアムはそろそろお終い。
良い環境で勉強が出来て本当に良かった。
学問分野もそうだけど、より一層人間的な部分が磨かれたような気がする。
それに気づけたのは、こうして宛メに文章で残してあるからだけどね。だって高校生の頃の文と比べたら、本当に成長してるって思えたもの。
いつもありがとう。