翌朝、ルジアは魔術師ギルドに向かう準備をしていた。
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・ギルドとは
中世のヨーロッパで生まれた技術の独占を目的とした自治団体である。
当作では、その分野の管理団体としている。
例)冒険者ギルド 商人ギルド 職人ギルド等々…
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いつものマントを羽織り部屋を出ようとすると、後ろから声をかけられた。
「ルジア、どこに行くんだ?」
「!なっぱか。魔術師ギルドに行こうと思ってね」
「何だそれ」
「魔法使いのギルドだよ。転移陣の使用許可を取りに行く」
我々が今から向かおうとしているサフィレ王国の首都は、ここから徒歩だと軽く1ヶ月はかかる距離にあるのだ。いくらなんでも遠い。なので転移陣を使って一瞬で行ってしまおう!ということである。
「なるほど、一緒に行きたい」
「静かにするなら」
「…もうそんな年じゃない」
かくして、2人で魔術師ギルドへ向かうこととなった。ちなみに他のメンバーはまだ寝ている。
木製の重い扉を開けると、喫茶店のようなベルが鳴った。
「空いてるな」
「まだ朝早いからね」
2つしかない受付はどちらも人がおらず、呼び出し用のベルがぽつんと置かれている。
チーン、と鳴らすと、カウンターの奥から少女が出てきた。
「ご用件をどうぞ!」
「転移陣の使用許可を貰いたいです」
「こちらの書類に記入をお願いします!」
「はーい」
不慣れな手つきで羊皮紙にサインを書き、指先を切って血印を捺(お)した。
「け、血印……」
「ちゃんとした書類書くときはこれが普通だよ。慣れだ」
ビビるアレックスを横目にルジアは書類の空欄を埋める。その字は王女様らしさの残る優雅さだった。
「ありがとうございます!では魔力通信で連絡を取りますので、3日ほどお待ちください!」
「わかりました」
こうして、ルジア(とアレックス)は転移陣の使用許可を申請した。
「ただいまー」
「あ、おかえりルジアちゃん」
宿に戻ると、ノアとなっぱがチェスをして遊んでいた。
「チェックメイト。ノアさんもまだまだですね。」
「い、いや今教えてもらったとこだし……」
なっぱはチェスが上手いらしい。得意げな彼(もしくは彼女)に、ルジアも勝負を挑んでみた。
「いいですよ!僕が勝ちますけど。」
「おぉ、強気だね。」
……1時間後
「負けた!!なんで!?」
「ふふふ、経験の差だよ。」
勝ったのはルジアだった。勝利を味わいながら、彼女は姉とプレイしたゲームを思い出す。リジアはボードゲームが下手だった。
『また負けちゃった!なんでルジアはそんなに強いの?ゲーム中何考えてる?』
『……えーっと、相手にされたら嫌な手をイメージして、その手を潰すんだよ。鉄則じゃない?これ。』
『な、なるほど。』
……なっぱの緑と黒の両目が、悔しそうにこちらを見ている。その顔がかつての姉に重なった。
「もっかいやる?」
「やります!」
そんな平和そのものなやり取りの陰で、大きな影が蠢いていた。
「嫌な予感がするなぁ……」
少女は、肩に乗った猫を撫でながら小さく呟いた。
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皆様こんにちは!テスト終わった!
3学期さ、もうずーっとテスト期間じゃん。
は?って思う。
最近は伏線仕込もうと頑張ってる。
あとファンタジー小説にエモいとか絶対使えねーから語彙力上げるのも頑張ってる。
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