「すぐに泣けるなんて、羨ましいわ」
涙腺を交換できるなら、私はアッサリと自分の涙腺を差し出すだろう…
こんなダバダバダと涙を流し続ける壊れた蛇口じゃなくて、苦労して捻らなければ水が一滴も出ないような錆びた蛇口が欲しかった
幼少期には「大人になれば涙は枯れる」「涙腺なんて、嫌でもなくなる」という言葉を信じて耐えてきた
だけど、私の蛇口は年々ボロさを増している
こんな緩い涙腺じゃなければ、人生もう少しだけ楽しく過ごせただろう
もう少しだけ、生きやすかったのだろう…
今日も朝から4時間以上、泣き続けた
これはまさに異常事態だ
映画やドラマを見ても涙は出ない
リアリティの感じない世界に感情移入が出来ない
どんなに周りから「感動した」「涙が止まらなかった」と絶賛されても、途中から流れが分かると蛇口を閉めてしまう
…そのくせ、現実世界ではコツンとつつかれるだけで決壊するポンコツ蛇口
涙を流せることで何かが良い方向に変われば良い
でも、涙を流したからっていい方向に向かうことなんて一つもない
むしろ、悪い方向に爆走してしまう
人間の身体も、簡単に直すことができたら良かったのにね
ななしさん
他人からの愛が足りないのかもしれないね。
よく泣く子と泣かない子は何が違うのか、親のしつけだけの問題なのかという話で、保育士やってる人から「孤独感が強い子ほど泣きやすいと思う」って聞いた事があってね。
つまり誰からも見てもらえない(と本人は感じてる)から、もっと自分を見て欲しくて泣くんだって。
逆に満たされている子は簡単には泣かない。それは笑った時に周りからたくさん「かわいいね」って言ってもらえて、例え転んでも泣くのを我慢するとすかさず「いい子だね、泣かなくて偉いね」って誉めてもらえて、泣くより笑う方がおトクだと実感しているから。幼稚園でも、本当によく笑う子は親も朗らかで、家族間がいい雰囲気に見えたらしい。
ただ、それが行き過ぎると今度は「いい子でいるために泣きたくても泣けなくなる子」になっちゃうかもしれないから、バランスが難しいよねーでその話は終わったんだけど。
主さんも似てるような気がする。
ただのわがままや甘えで泣いていたなら、大人になっていって分別がついた時に、自然に収まったと思うんだよね。
でも満たされたいという欲求で泣いたなら、例え何歳になっても満たされない限り直りようがないんじゃないかな。
あなたの蛇口がポンコツになった原因が、どこかに必ずあると思うんだよね。幼少期からなら、家族とか学校とか、そういう所に。
満たされないまま大人になってしまった人が、親との会話やスキンシップで精神が安定する場合もあるみたいだし、ちょっと探ってみるのもいいかもしれない。
もし原因がわからなくて、解決しなかったなら、いっそとことん泣いて生きるのもアリなんじゃない?
例えばあなたが仕事が出来るとか、気性が優しいとか、付き合いがいいとか、一緒に買い物すると楽しいとか、そういう美点がある人なら、 多少泣きやすくても構わないって人はいるでしょう。
無理に涙を止めるより、泣きやすい以外に大きな欠点が無いくらいの人になって、泣くのは皆に受け入れてもらえた方が、我慢し過ぎないで楽に生きられるんじゃないかな。