『一歩目』
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私は、もう一回メモ紙を取りだし眺めていた。
駅で逢った人に連絡先を渡す…
こんな感じの映画無かったっけ?
いや、そうじゃなくて。
困った。
どうすれば…?
じつは学生時代で、知らない人に連絡先を貰った事が何回かある。
その時は恐くて、何もしなかった。
が、今回は"何か"が違う。
でも、"何"が違うのかは分からない。直感的なものだ。
と、思いつつも、詐欺やペテン師。
電話番号を悪用する人かもしれない。
チャラい人かもしれない。
警戒心はとれない。
信用のある幼馴染み3人にこれまでの経緯と共に相談のLINEをいれた。
そんな内に職場近くの駅に着いた。
仕事が終わり、帰りの電車内で携帯を見ると3人からLINEが入ってた。
[気になったから連絡先渡したんじゃないの?]
[ちょっと怪しいけど、怪しくないなら連絡してみてもいいんじゃない?]
[着信拒否やブロックもあるし。]
3人共連絡してみても?と言った感じだ。
"益々迷うな…3人には何て返事しようか?"
[んーまた、報告するね!]
とだけ送った。
家に着いてからもずっと考えていた。
変な人だったら嫌だし。
でも…
始めて話し掛けられた日の笑顔と、メモ紙を渡すときの真っ直ぐな感じが忘れられない。
この先あと60年生きるとしてこんなこと、
もう、無いだろうなぁ。
これも一つの縁かな?
神様が"そろそろ幸せになってもいいぞ!"って言ってるのかな?
私の直感的なもの信じてもいいかな?
その日の夜、携帯画面を見ていた電話帳に新しい番号をいれた。
するとLINEに"新しい友達"が出できた。
[こんばんは。今朝電話番号を貰った、ハヤシダです]
何とも素っ気ない文面にも関わらず
返事は割りと速く来た。
[連絡ありがとう!ハヤシです!]
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前回の小瓶にお返事流して頂いてありがとうございます!
拙い文ですみません