私は以前、死にかけた事がある。
当時、自分の心や身体に負担をかけている事に気づかず、とうとう動けなくなってしまった。
食事も喉を通らず、息をしているのかも認識できないほど無気力だった。
気づけば私はショルダーストラップで輪を作り、首に通して一歩踏み出そうとしていた。
そんな記憶のない私は混乱し、床へ座り込んだのを覚えている。
…あれからもう一年が経とうとしている。
今は激減した体重も少し増え、表情が以前のように戻った気がする。
でも、ふとした瞬間思い出す。
食欲が失せていく感覚、
冷たい床、ぼやけた視界…
「まだ治ってないんじゃないの?」
心無く言われた言葉が頭の中でこだまする。
あの時に失った物が、まだ少し欠けたままになっているのかもしれない。