休日は映画三昧。
地元には昔懐かしい劇場が幾つか残っていて、子どもの頃、父に連れていってもらった思い出が蘇ります。
今日は『テルアビブ・オン・ファイア』『家族を想うとき』の一挙2本連続観賞。
私がここでオススメしたいのは、『家族を想うとき』です。
大して知識は入れずに観に行ったのですが、冒頭から父親に感情移入してしまいました。
マイホームの夢を叶えるため、宅配ドライバーに就職した父。
母はパートタイムとはいえ、時間外まで働く介護福祉士。
そんな両親に高校生の長男と小学生の長女は、寂しい想いを募らせてゆきます。
私もかつては、小学校にあがる一人娘のためにと、長距離ドライバーに転職。荷物を積むと8~10時間かけて関東地方へ。慣れない都会に四苦八苦しながらの日々でした。
三日間運行なので、まともに家へ帰れるのは週末くらい。それでも家族との時間は、大切にしなければと懸命でした。
しかし、娘が中学への時期が迫ってきた頃、嫁からもっと稼いでもらわないと、学費や部費とやりくり出来ないと言われ、やむなく長年勤めた会社から、高額の運送会社に変わりました。
しかし、高額には理由があり、1ヶ月に丸1日休めるのは1回くらい。
どんなに積み込みが遅くなっても、高速代すらまともに出してもらえないので、睡眠時間を削って走るしかありませんでした。
結果、過労とストレスからパニック障害となり、運転中に何度も発作を起こしました。
それでも、やるしかなかった…。
作品でも、暴漢に襲われて大怪我をした父が、必死に止める家族を振り切って仕事に向かう姿が、当時の自分と重なります。
まぁ、私の場合は止められるどころか、休めば給料が減ると言われてましたが。
とある家族の日常を切り取った様な内容なので、壊れかけた家族が、完全に修復されてハッピーエンドとはなりません。
しかし、父、母、息子、娘と各々の想いが描かれているので、見終わった後、自分はどうだったか、考えさせられる作品でした。