あなたのことが好きでした。
真面目そうだけど、実は案外普通の子で、寧ろすごく面白かったあなたの事が好きでした。
いつも奇想天外な話を、私に聞かせてくれるあなたのことが好きでした。
酔ったり元気がない時、いつも頭を撫でてくれるあなたのことが好きでした。
誕生日の日、あなたは休みでわたしはがっかりしてたけど、その次の日に靴箱にお祝いの手紙が入っていて、すごく優しさが詰まっていた手紙を書いたあなたのことが好きでした。
そんなある日、社会科見学でラッキーなことにバスが隣になったけど、その日はあなたは来なくて、それを機に半年ぐらい学校に来れなかったあなたのことが好きでした。
最初は気のせいかもしれないと思ったけど、休んでから本気で好きだと気づいたあなたのことが好きでした。
来れなくて存在を邪険に扱っていた人達に、すごく激怒してしまったけれど、でもそれぐらいあなたのことが好きでした。
体が辛いと悲鳴を上げていたはずなのに、何とか乗り越えてすごいところに受験をしたあなたのことが好きでした。
そして、保健室登校をしてくれたあなたのことが好きでした。
様子を保健室から覗くと、夢中になって本を読んでいたあなたのことが好きでした。
その時私は長い髪を切っていたのだけど、可愛いとすごく褒めてもらって、卒業文集を書いてもらった時「青春だと感じた瞬間は?」という質問に「(私の名前)ちゃんの髪を切った姿がすごく可愛かった時」と書いてくれたあなたのことが好きでした。
でも、コロナの影響でまた暫く会えなくなったあなたのことが好きでした。
終業式、久しぶりに見るあなたはやっぱり可愛かったけれど、そのあまりどぎまぎして話しかけられなかったあなたのことが好きでした。
そして告白しようとした卒業式、来れなかったあなたのことが好きでした。
同性なのに、すごく可愛くて、博識で、頭が良くて、でもすごくユーモアがあって、私を妹のように扱ってくれた、あなたのことが、ずっと、ずっと、好きでした。
多分、同窓会は中止になると思います。
もしあったとしても、あなたが来れないと思います。
私は多分、卒業アルバムを見て、涙を流しながら、こう言うでしょう。
「ずっと、あなたが好きでした。」
きっとその気持ちを、あなたが知ることは無いだろうけど。
素敵な恋だったと思います。
きちんとしたさようならが言いたかったです。
ありがとう。