石の小瓶
貴方は私と、良く似た思いを抱えているようだ……
同じ環境で似た状況にあるようだね。
君がいくつなのかは分からないけれど、薄汚れながら生き延びた私から答えを送ろうと思う。
怖いだろう
食事の時
歩いている時
鏡を覗く自分を見る時
学校も、課せられるルールも全て恐ろしい。
なんて邪魔で鬱陶しくて恐ろしいんだろうね。
それでも君は捨てられる事はない。
君の親もまた、仕事や衰えていく身体。
見えない未来に恐怖しながら、なんとか抗っている。
もし、君を捨ててしまえば理由が無くなってしまう。
誰かの為でなく、血を分けた家族の為に。
働いているんだろう?
ご飯を作ってくれて、服を洗ってくれて……
すごいこと……とは行かなくても、寿命とも呼べる時間を糧にして君と側にあったんだ。
積み上げた何かは積み木ではないんだよ
そんなに軽くも小さくもないんだ
君も同じさ。
期待に応えるために、勉強やして貰いたい事に命とも呼べる時間……寿命を費やしている
決して意味のないことではない。
結果だけを求めてしまえば、過程なんていらないだろう?
でもね、それでは人は常に焦りと恐れの中で、利益とも呼べる結果だけを求めてしまうんだ
自他共にね。
話し合うことは、すべきではない事なら
見送ってもいい。
君の心に、微かでも引っ掛かるものがあれば
それを信じてあげて欲しい。
言葉でも、趣味でも、疑問でも何でもさ
恐れを消すことは出来なくても
側にいて安心出来る理由を見つけて欲しい。
不安に執着を覚えてはいけない
その先にあるのは希死願望だけだ。
心を守る為の何かを見つけるんだよ
間に合う内に、ね。
僕は、間に合わなかった。
今は、月20000円の伊豆の山中で暮らしている。
仕事もせず、人とも会わず、何からにも逃げてただ籠るだけの23歳だ。
言葉も、話さなければ口から出なくなっていく。
もし、君が今の心のまま、深く深く落ちていったら何も無いゾンビ人間になるよ。
ご飯やお風呂、音楽。くだらないと思う物が、結局大切な日常だったと悟る日が来てしまう。
僕のようにはさ、どうか、どうか、なってくれるなよ。
君の幸せを祈っている