誰かの特別になりたい。何かの特別になりたい。
みんな、僕のことをバカにした。馬鹿だ、運動音痴、陰キャって。
だから、努力したんだよ。運動は出来ないまんまだけど、勉強はちゃんとやったし、みんなと話せるようにコミュ力も磨いてきたつもりだよ。
でも、僕は何者でもない。特別じゃない。
だから、僕は僕の特別をつくった。
だから、僕はいろんなもので自分を囲った。
そしたら、特別になれないことの寂しさが、つらさが、癒される気がした。
でも、やっぱりそれじゃ足りなくて。
家族は僕が死にそうな時に僕を敵に差し出した。
学校で先生からのつらいいじめを受けている時に、仕事の邪魔だって言って、学校に行かせたんだ。
それって、僕は家族の特別じゃないってことだったんだ。
僕は誰の特別じゃない。
性的な関係で結ばれてなった特別なんかいやなんだ。そんなの、長続きしないよ。
埋まらない、埋まらない、埋まらない。
誰かに捨てられたつらさは埋まらない。
捨てられたくない。
捨てられたくないから、特別になりたい。
こう思うのはきっと卑しい人。
特別な人はこんなの思わない。
でも、怖い。捨てられるのが、自分の思いを踏みにじられるのが、見放されるのが、怖い。
そんな自分が嫌い。